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June 21, 2009
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カテゴリ:クルマ
クルマとは、パーソナル・ムーバーである。
日本でクルマ1台あたりの平均乗車人数が
2人にも満たないのだ。
とすれば、
クルマはもっと小さくていい。

小さければ燃費がよく、
ハードウェアにかかる鋼材資源を少なくでき、
道路やタイヤなどの消耗品に与えるインパクトも少ない。

そこで近年のコンパクトカーの発達がある。
ユーザーの嗜好でクルマ会社を動かしたいい例だ。

従来のコンパクトカーよりさらに小ささを追求してみたら、
というメーカー主導の例が、トヨタiQの成り立ちに思う。
この車体寸法の小型化=超小型車の普及をすすめる動きの元祖は、
ダイムラーのsmart(for two)である。

欧州の古都では、
道幅が狭く、駐車スペースも少ない。
そこに超小型車にニーズがあったということだろう。
燃費や地球環境対応とは別の視点で売れたのだ。
まだまだニッチな市場である。

そしてsmartは完全な2人乗りである。
コミューターとしては、不十分である。
駅に1人しか送り迎えにいけない。
運転者が1名いるから、残りは1人分。

通常1人乗り、たまに2人乗り。
大多数のそんな日本ユーザーでも、
2人乗りのクルマを選ぶというのは敷居が高い。
不便するシーンが容易に想像できるからだ。

ときには荷物が大きいこともあるだろうし、
2人以上を送り迎えすることが、たまにあるかもしれない。
迷ったら、リスクを想像できたら、
安全なほうを選ぶのはヒトの常である。

そこで、ほとんど同じサイズで、
4人まで乗れるようにしたのが、iQの画期的なところである。
そこがこのクルマの可能性の高さである。

4人乗りには狭くても、
駅までの送り迎えという短時間なら、OKなのである。
smartが取りこぼしてきた客層を、
iQは取り込むことが出来る。

小さいサイズを実現することは、日本人の得意分野である。
いままでのクルマ作りの常識を、
いくつかの新しい技術で破っているようだ。
助手席側のダッシュボードをえぐって、
助手席を前に出し、
前に出した分だけ、助手席の後席を広くしたこと。
ダッシュボードをえぐるために、エアコンユニットを小型化したともある。
エンジニアリング的には、面白い車である。

これだけ小さくしても、トヨタはこのクルマを
小さな高級車として売ろうとしている。
もっと大きなvitsよりも販売価格は高いのである。
おそらく、アルトより安くしたスズキの超小型車twinの
販売失敗を分析して、だろう。
ボクはこの方向性に賛同している。

小さいものを安くつくっては、質感が貧乏くさいことになる。
環境を本気で考える金持ちでインテリジェントな客層には、
価格の安さが逆効果になる。
だから、多少金をかけてでも、
本気で作りこむ必要があったのだろう。

とはいえ、トヨタのこと、
iQの製造原価を、
vitsよりも高くするような愚は冒さないだろう。
vitsより安く作って、
vitsより高く売るのである。
儲かりクルマになっている。

iQをもし安く販売してしまうと、
価格だけにとびつく頭の悪い低所得者が、
iQを街中にあふれさせる。
それも、タイヤを換えたり飾り立てたりしてしまうことで、
「貧乏人のヤンキークルマ」という色に
してしまう恐れがある。

それでは、iQのターゲット客層は崩れ、
儲からないクルマになってしまう。
環境対応に「貧乏人」を巻き込むことは、
現時点ではリスクが高いのである。
貧乏人にさえ環境意識が生まれるのは
いつのことだろうか。

きっとトヨタのもくろみは、このiQを
これからの時代のトレンドである「環境対応車」と、
先見の明のあるスマートさを売りとしたい。
ガソリン・電気ハイブリッド車=プリウスブランドと
あわせてトヨタ環境車の双璧となることを狙っているだろう。

ボクはしかし、現実の販売店ネッツでiQをみて、
とてもガッカリしている。
iQはネッツで売る車ではないのだ。
iQはネッツでは売れないと確信する。

なぜか。
ネッツという販売店には、トヨタのもくろむ
iQの購買層=スマートで金持ち=が、こないのだ。
くるのは、安いクルマ狙いのファミリー層である。

ネッツでは、iQ以外に売っている車が、iQと相性が悪い。
Vits、bB、オーリスは、価格かぶり。
istは高級志向かぶり。
プリウスは環境志向かぶり。
もちょい金だせば、7人乗り車が手に入る、ときてる。

iQ目当てに店にきた客を、
他の車種に流す誘惑に満ちている。
思うに、iQの客がVitsに流れることが一番多いだろう。
ダッシュボードデザインあたりは、Vitsのほうが
よほどゆったりしていて、iQよりも貧乏くさくないからだ。

ネット上でも散々言われているが、
iQはレクサスブランドで売るべきだった。
ボクも、そう思う。
レクサスで売っているどのクルマにも、iQはかぶらない。
レクサスのおもてなしの雰囲気のなかで買えるのであれば、
iQは十分魅力的である。

iQの開発コンセプトと、レクサスの販売コンセプトが
よく合っているのだ。
従来300万円以上のクルマしか置いていないレクサスで、
200万円以下でレクサスブランドのクルマとしてiQが買えるとなれば、
価格の高さも気にならなくなる。
相乗効果で、レクサスの従来クルマだって売れるかもしれない。

トヨタのブランド戦略がどんどん下手になっていると常日頃思うが、
今回のiQほど、失策はないと思う。
きっとトヨタグループは、企業体として大きくなりすぎたため、
各方面からの雑音や力関係が複雑になりすぎ、
正しい判断ができなくなっているのだろう。

ジャーナリスト向けに販売開始のかなり前からアピールして、
日本COTY(この訳し方はどうかと思うが。日本カーオブザイヤーの訳)に
販売開始”前”に選出されたときには、
COTYという賞そのものの意義が死んだとボクは確信したと同時に、
賞を潰してでもiQを売らんとするトヨタの本気を感じられた。
どんな販売のしかたをするか、ワクワクしたものだ。

そこからのトヨタの迷走ぶりは、
かえってトヨタの評判を落としたと思う。
iQといういい切れ味の刀をつくりながら、
その扱いを間違えて、自ら大けがした、とでも言おうか。
このままではiQは売れずに不遇にも消えていくと思われる。

一部には、クーペカブリオレとかスポーツとか、
前時代的悪ふざけの方向にいくような予想報道があるが、
ボクはそれをやったら、トヨタは恥の上塗りをしたことになる。
そんなことをしていては、トヨタは早いうちに
世界一から滑り落ちるだろう。

iQのコンセプトを踏襲し、磨きあげる必要がある。
アイドリングストップエンジンとか、
ガソリン電動ハイブリッド化とか、
環境対応ディーゼルとか、
電気自動車とか。
さらに小さいエンジンを載せるとか、
ダイハツと共同で軽自動車規格に転用するとか。
いくらでも発展の可能性がある。

そしてボクが期待しているのは、
iQを懐刀にして国土交通省に乗り込み、
世界一のクルマメーカートヨタが、
軽自動車規格改正に乗り出すこと。
面白い。やってほしいと思う。

なにしろ、軽自動車よりも全幅以外すべてコンパクトで、
燃費や環境負荷が軽自動車よりも小さいとなれば、
いまの軽自動車の規格が最適でないことの証明になる。

証明されれば動かなくてはならないのが
オヤクニンという奴らの習性なので、
それを利用しない手はない。

iQからそこまで考えを及ぼすボクは、
もう一度言うが、トヨタの今後のiQの育て方に、期待している。
iQよりもっと小さな次のクルマさえ、望んでいる。
1人乗りの超小型車があってもいい。
クルマがまだこの世界に必要というならば。

iQの次が出来る前に、ヒトの意識が変わって、
そもそもクルマ不要論になるかもしれないと
ボクは思っている。
iQで引いた引き金で、もう走り出したのだ。
そしてダウンサイジングの究極の形に収束するだろう。





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最終更新日  June 21, 2009 01:36:26 PM
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