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カテゴリ:がんとの付き合い方(病院の勉強会)
体に起こる問題
体に起こる症状は、 必ず、誰にでも、同じように起こるものではありません。 同じ病気であっても、人によって現れる症状は違い、 現れる人もあれば、 現れない人もあり、現れ方もさまざまです。 従って、自分にとって、 どのような状態が最も良い状態なのかを知る事が大事です。 体の状態に合わせて、ご自分の日常生活を調節していきましょう。 1 憂鬱な気分になったり、いつもと違う言動がみられる。 ガンという病気を否定したい気分になったり、 今後どのようになるのだろうかと考えたりする結果、 気分が落ち込む事があります。 そうすると、精神的に安定しない為に腹立たしく思ったり、 周囲に当り散らしたりして、 今までの性格からは考えられないような言動がみられることがあります。 このような気持ちの変化が起こる事は、 病気になった人の気持ちとしては当然起こってくる事だと、 知っておく必要があります。 時には、「とってもつらいのね」とか、 「すごく大変だということがわかるわよ」と、 いうような簡単なことばかけが、役に立つ事があります。 患者さんの気分がひどく落ち込んでいる時に、無理に励ます事は、 かえって患者さんに負担をかけることになります。 見守ってあげましょう。 患者さんは、辛い気持ちを自分独りで処理しないで、 信頼できる人に聴いてもらいましょう。 また、カウンセラーなどに相談してみるのも良いでしょう。 2 脱毛(毛が抜ける事) 放射線治療や化学療法によっては、 がん細胞をやっつけてしまうだけでなく、 正常な細胞もいためてしまいます。 他の人より毛の抜けやすい人もいます。 化学療法によって抜けた毛は、 治療が終われば、2~3ヵ月後には生えてきます。 放射線治療により抜けた髪の毛は、 治療が終わって生えるまでには時間がかかります。 3・はきけ・吐くこと 抗がん剤の中には、脳のはきけの中枢に影響を与える薬もあります。 これは、非常に個人差が大きく、同じくすりを使っていても、 はきけが起こったり、 吐いたりする人もいれば、何も感じない人もいます。 4・下痢 抗がん剤によっては、下痢を起こす事があります。 消化器の手術後にも下痢を起こす事があります。 また、放射線照射を腹部に、行っている時にも起こる事があります。 5・便秘 化学療法に使用される薬剤の中には、腸の動きを弱めたり、 大腸内の水分を減少させるものもあります。 あまり運動しなかったり、繊維の少ない物を食べたり、 食事量が少ないと便秘になりがちです。 また、痛み止めとしてモルヒネを使用している人も便秘になります。 6・尿の異常 薬によって尿に色がつくことがあります。 例えば、アドリアマイシンでは、赤くなり、 メソトレキセートでは黄色、 ビタミン剤の中には黄色になるものなどがあります。 化学療法後には、膀胱炎などもおきやすい状態になっています。 抗がん剤を使用しているときは、 尿に溶け出した薬の成分を膀胱にためないように、 水分を多くとり、1日に2000ml以上の尿を出す事も必要です。 膀胱炎もおきやすい状態になっているので、 陰部を清潔にしておくことも大事です。 7・皮膚の異常 放射線照射により皮膚が炎症を起こしたり、 抗がん剤により皮膚に色素沈着がおこったり、 手のひらや足の裏の皮がむけたりすることがあります。 また、抗がん剤の中には、指先の神経がおかされて、 感覚が鈍くなることもあります。 8・むくみ むくみは、蛋白質の欠乏、心臓、腎臓の機能の低下、 足の付け根、脇の下、頚のリンパ腺が 圧迫されているとき、などによっておこります。 むくみは、皮膚を進展させ弱くさせるために、 傷つきやすくなっています。 むくみのある部分を傷つけないように気をつけたり、 ローションやクリームを塗って皮膚に潤いを与えましょう。 9・味覚の変化 アドリアマイシンなどの抗がん剤を使用している人は、 甘う味をより一層強く感じるという人がいます。 放射線治療の後では、金属性の味がするかもしれません。 蛋白質を含んでいる物質は、苦い味がすることがあるかもしれません。 10・食欲不振 抗がん剤が原因になることがあります。 栄養のバランスを考えるよりも、 食べたいもの、食べられるものを優先にして食べましょう。 食べられないときには、無理に食べるように勧めない事も大事です。 少量ずつ感じの良い盛り付けをしたり、食卓の雰囲気を変えたり、 親しい人とゆっくり食事をする事も良いかもしれません。 11・口内炎 抗がん剤や放射線によって、障害を受けるとおこってきます。 食欲がなく、食事があまりとれない時もおこることがあります。 十分に口の中を清潔にする事がまず重要です。 12・口臭 消化管を覆っている細胞の破損、再生が原因かもしれません。 口腔洗浄剤を使用し、歯磨き、うがいをすると少しは効果があります。 13・衰弱・体重減少 治療の副作用により、食事摂取量が減少すること、 活動範囲も少なくなる事が考えられます。 毎日どのような物を食べたか、記録してみましょう。 食間に、カロリーや蛋白質の多いクッキー、 ヨーグルトなど栄養補給になるものを食べましょう。 周囲の人が、神経質になりすぎないようにする事が、 患者さんへの配慮になることもあります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.09.19 18:35:26
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