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釈迦楽

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October 24, 2005
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カテゴリ:わけ分からん
 
 「ほっとけない、世界の貧しさ」を合言葉に日本でもブームになったホワイトバンド運動。これが今、問題になっているようです。

 ホワイトバンド運動というのは、要するに何か白いものを身に纏い、それによって世界のあちこちに貧困に苦しんでいる国があることを意識しあうと同時に、それを是正するための何らかの方策をとるべきであるという意思表示をして、それぞれの国の国民が自国の政府なり何なりを動かそう、という運動です。つまりホワイトバンドは、実質的には「世界中から貧困をなくせ!」というプラカードと同じなんですね。ですから、「赤い羽共同募金」のような直接的な募金活動とは大分性質が異なることになる。

 ところが、実際にこのホワイトバンドを購入して腕にはめていた人の多くは、ホワイトバンド運動というのはまさに「赤い羽」的な募金活動なんだろうと勘違いしていて、その価格の何割かが貧困に苦しむ国々に寄付されるのだと思っていたんですな。そのため、実際には必ずしもそうではないということが分かって、日本でホワイトバンドを売り出した会社に抗議が殺到していると、まあ、そういうことらしい。

 そうなると、一方では「勘違いした購入者の方が悪い」という見方もできますし、「いやいや、趣旨説明が十分出なかった販売者の方が悪い」という見方も出来る。ま、どっちにも少しずつ非があるので、これは私個人の勝手な予想ですが、最終的には、販売者側が当初の計画を変更し、売り上げの何パーセントかを実際に寄付する形で収まりがつくのではないでしょうかね。

 しかし私はこれとはまた別に、もっと基本的なところで「募金活動」というものに疑問を持っているところがあります。

 いや、例えば何か大災害があったりした時の募金とか、交通遺児のための募金とか、そう言った種類のものなら、(ボーイスカウトなどを活動のために利用することには反対ですが)、基本的な趣旨として理解出来るし、実効もあると思うので、賛成します。私が疑問に思うのは、実効があるのかどうかよく分からない種類の募金です。

 例えば最近地震の被害にあったパキスタンを例にとってみましょう。ご多分にもれず、かつて私の通っていた小学校でもこの地方の貧困をなくすための募金活動をしていて、私自身も子供の頃、小遣いの中から継続的に何がしかの寄付をしてきました。またそうして集められたお金はきっと彼の国に渡り、何らかの役には立ったのだろうと思います。その意味で、この募金活動はある意味、ちゃんと機能したと言える。

 しかし、私はこの件に関しても大いに不満があります。

 パキスタンの大地震後の映像などを見ると、小さな家も大きな建造物も一様になぎ倒され、すごい被害が出ていることが分かります。そして難を逃れた人々もまた、救援物資がうまく届かずに、飢えと寒さに苦しんでいる様子がよく分かる。

 で、私が思うことは、「パキスタンには、建築基準法はないのか?」ということであり、「パキスタンには、まともな道路はないのか?」ということなんです。もちろん大地震は天災ですから避けようがない。それは分かっています。でも、もしちゃんとした建築基準法があったら、あそこまでひどい被害は出さなくて済んだのではないかと思う。またもし各地に点在する集落を結ぶ道路がちゃんと整備されていれば、救援活動ももう少しスムーズに行っただろうと思うのです。

 そういう社会の基盤を整える努力を、果たしてパキスタン政府はこれまでにやってきたのでしょうか? そういうことをまるでやらずに、これまでも、またおそらくはこれからも、大災害がある度に多数の国民を危険に晒すつもりなのでしょうか? ならば私の子供時代の小遣いは、一体何のために使われたのか。私はそれを説明して欲しい。

 日本だって、これまでに何度となく大災害を経験しています。関東大震災しかり、東京大空襲しかり、広島・長崎しかり。でも日本の場合、その焼け跡からまだ煙が立っている時から、早くも復興の槌音が聞こえてきて、あっという間に復興してしまう。しかも前よりも災害に強い形で復興してしまいます。もちろん復興するまでの間、他国からの援助を有り難く受けるわけですが、その期間は短く、また援助物資もきわめて有効な形で使い切っていると思います。そして何よりも重要なことは、再起不能かと思われるような災害から素早く立ち直った後は、逆に他国に援助する側に回って、過去の恩返しをしている、ということです。

 それに引き換え、いわゆる「貧困に苦しんでいる国々」というのはどうなのか。何十年も他国からの援助に頼りっぱなしの国々の政府というのは、一体何をやっているのか。いつまで他人様頼りの「その日暮らし」をするつもりなのか。

 もちろん、そうはいっても現実に飢えた人々がいれば、理屈抜きで援助しなくてはならないというのは分かります。しかし、それはざるで水を掬おうとするような種類の援助であって、いつまでたってもきりがない。そのことは、厳しく批判すべきものなのではないでしょうか。厳しく批判して、是正させなければ、結局その国の人々がいずれまた苦労することになるのは目に見えています。

 ホワイトバンド運動のトラブルは、ある意味、いい機会ですよ。これを機に、もうそろそろ「可哀想だからお金を送ろう」だけで済ませてしまう寄付活動は止めにしようではありませんか。貧しい国々の内実を調査し、責任の所在を突き止めようではありませんか。その貧しさは不可抗力と言えるものなのか、それとも国民が怠惰だから貧しいのか、あるいは政府が悪いから貧しいのか、はっきりさせてもらおうじゃないですか。寄付する側としては、そのくらいのことを要求する権利があると思います。そしてそういうことは、民間の慈善団体ではなく、日本の政府がやるべきではないかと私は思う。その意味で、これまで気前よく、しかし無責任に他国の援助をし続けてきた日本の政府に対し、援助政策の見直しをしてもらいたいと思うのです。

 ま、私が言いたいのはそういうことなんです。でもそこまで言ったついでにもう一言、十年一日のごとくお涙ちょうだいの募金広告を流し続けるACにも、この際私は猛省を促しておきたいと思います。正義を訴える団体に猛省を促すのは気が引けますが、そうは言ってももう少し考えてくれよ、という意味を込めて、ね。





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Last updated  October 24, 2005 02:09:07 PM
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