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釈迦楽

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February 26, 2006
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カテゴリ:わけ分からん

 昨日、今日と、我が大学は入試です。だもので、我々英語科の人間も試験の採点に駆り出され、土・日出勤していました。

 英語の試験というのは、どの学科を受験する学生もたいがい受験するので、採点作業も大変です。15人くらいの先生方で分担して、2日がかりの仕事になってしまいます。ま、我々教員にとっても、年度末最大のイベント、といったところでしょうか。

 で、もちろん入試ともなると、採点には神経を使います。ですから、精神的にも肉体的にもかなりハードな仕事なんですが、そんな中、唯一の楽しみなのが「おやつ」。つまり、先生方が数百円ほど出し合い、あらかじめおやつを買っておいて、採点室にずらりと並べておくわけ。クッキーあり、和菓子あり、果物あり、もちろんコーヒーや紅茶、ココアにハーブティーなども用意してあります。ですから採点作業に飽きると、各自おやつコーナーで適当にお菓子と飲み物をとってきて、これらを摘んでしばしリラックスしてから、また答案の山に立ち向かうというわけ。

 で、このおやつがしょぼいと、年輩の先生あたりから「今年はちょっとおやつが寂しいな」なんて不満の声が出ますし、逆におやつが充実していると「お、今年は豪華だね」なんてことになって、採点者全員の労働意欲も俄然湧いてくるという次第。可愛いもんです。

 あと、英語科の先生全員が顔を揃える、なんてことは年間を通してそんなにないことなので、この時期、採点をしながら互いに冗談を言い合ったりするというのも、科の志気を高めるという意味では重要な行事なのかも知れません。

 で、そんなおしゃべりの時によく出る話題が、「赤ボールペン・ネタ」なんです。

 入試の採点ですから、採点室にはあらかじめ赤ボールペンが用意してあります。それで、バブルの頃は大学も景気がよかったもんで、沢山の赤ボールペンがまだ封も切っていない箱に入れられてどーんと部屋においてあったわけ。もちろん、各先生方とも、採点の時に使ったボールペンは自分の胸ポケットに挿したまま家に帰っていたんです。で、それから先一年間、期末試験の採点などにもこの赤ボールペンを使っていた。それが当然だったんですね。

 ところがここ数年、入試の時に配られる赤ボールペンが新品のものではなくなってきたんです。しかも「使い終わったボールペンは事務に戻して下さい」なんてセコい通達まであるという・・・。

 だけど、長年、入試の時の赤ボールペンに頼り切ってきた我々としてはこれが納得できない。それでこのところ毎年、必ずと言っていいほど、入試の採点中のジョークとして、この赤ボールペンが登場するんです。

 今年もこの吉例が続きました。同僚のS先生が口火を切ります。「ところで・・・このボールペン、貰っていってもいいんですかね?」

 「いや、いいんじゃないですか?」と入試担当のY先生。「私もこのボールペンで、この先一年採点するんですから。これがなくっちゃ、どうにもなりません」

 「でも、事務が返せって言うんでしょ?」とN先生。「数えてたりするんじゃないですか、ひょっとして。英語科はボールペンの紛失が多い、なんて言われてたりして・・・」

 と、ここで何やらボールペンをしげしげと見ていたD先生が、「あ、ここに『使い終わったら返却すること』って書いてある!」と爆弾発言。英語科の先生方が一斉にボールペンを凝視。

 「ウソですよ、ウソ」とD先生。一同のけぞる。

 「しかし世知辛くなりましたなあ。ボールペン一つもらえないなんて・・」とK先生。

 「まったく・・・。私の父の勤めていた私立大学なんて、入試手当が給料の一と月分ですよ。それに入試問題作成料がやっぱり給料一と月分。だから、入試に係わると、それだけで二ヶ月分の給料アップなんだから」と私。

 「うちの大学なんて、入試業務は完全にボランティアだからね」とY先生のぼやき。

 「でも土・日出勤分は手当つくんでしょ?」とN先生。

 「それは超過勤務手当としてつきますけど、それだけですよ。入試手当、というのはないんです」とS先生。

 そこですかさずK先生、赤ボールペンを振りかざしつつ、「だから、これが、この赤ボールペンこそが、我々の入試手当なんですよ!」

 一同、賛同の拍手喝采。そして採点業務再開・・・。

 かくして今年も、めでたく「赤ボールペン・ネタ」が終了し、採点業務を終えた先生方の胸ポケットには、ボールペンの赤いキャップが、まるで武功章のように輝いていたのでありました、とさ。

 ま、それはさておき、二日に渡った奮闘の末、ようやく先ほど本年度の入試採点もめでたく終了しました。ま、我々にとっては一つの仕事の終わりですけれど、この結果によって来年度の新入生が決まるわけですな。彼らにとっては、これが一つの始まりなわけです。

 さて、どんな新入生が、どんな期待を胸に、この大学の門をくぐるのでしょうか。それはまた、春になってからのストーリーということになりますね。いい学生が入ってきますように。今日も、いい日だ。





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Last updated  February 26, 2006 02:31:07 PM
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ゆりんいたりあ@ Re:母を喪う(10/21) 季節の変わり目はなんだか亡くなる方が 多…
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