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釈迦楽

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July 26, 2006
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カテゴリ:わけ分からん

 昨夜遅く、NHKテレビで「ワーキング・プア」に関するドキュメンタリーをやっているのを見ました。

 多分、再放送なので、もっと以前に見た、という方もいらっしゃるかも知れませんが、とにかく、その内容はかなり驚くべきものでした。

 ま、バブル崩壊以降の景気の低迷、終身雇用制の崩壊とそれに伴うパートタイム労働の増加、過疎化による地方経済の破綻など、低所得層の増加を促すような社会状況があることはもちろん知ってはいましたが、日本経済がここまでやばい状況になっていたとは知らなかった・・・。ちなみに、NHKのドキュメンタリーで主に扱っていたのは、秋田県の農村地域の状況だったんですけど、えーっ!と思うほど悲惨でしたよ。

 例えば米作農家なんかでも、米の値段が下がってしまったために収入が激減し、年収が200万円代なんて家庭がザラ。それじゃ暮らしていけないってんで、昼の農業労働に加え、夜は夜で遅くまでかかって自家製の漬け物なんか作って売っている夫婦を取材していたのですが、それでもそこから挙がる実質の収入は年間30万円ほどで、焼け石に水状態。

 それでも農家はまだいい方で、例えばこの地方で長年テーラーを営んできた方なんか、平成に入ってから仕事が激減。かつては年間何百着とスーツを仕立てていたのに、景気の低迷で服を新調する人が減り、たまにある仕事といえば「裾上げ」とか「寸法つめ」といったような500円、1000円単位の仕事ばかり。冬場の数ヶ月にあげた収入はわずかに1万円という状態ですから、もうどうしようもない。しかも、取材を受けていたこの方はアルツハイマー病にかかってしまった奥さんの医療費も支払わなくてはならず、毎日のご自分の食費も100円に切り詰めているとのこと。

 こういう状況を作り出している背景には、もちろん過疎の問題があります。事実、秋田の農村地帯なんか過疎化が進み、あちこちに倒壊した農家の残骸が捨て置かれている。で、人が居なくなるから地元の購買力も下がり、上に述べたテーラーの方の苦難なんかも生じるわけ。

 で、収入がないから税金も払えないので、市役所に行って「収入が少なすぎて税金が払えません」という手続きをとったり、あるいは生活保護を受けるための手続きをとるわけですが、そういう行政上の生活保護を受ける場合は当該世帯に資産があってはならないんですって。

 つまり、貯金も何も全部放出し、本当にすっからかんにならない限り、そうした保護が受けられないんですな。ですから先ほどのテーラーの方にしても、アルツハイマーで先の短い奥さんのための葬式費用として100万円の貯金があったのですが、それすら切り崩した後でないと、保護が受けられない。長年腕の立つテーラーとしてやってきた自尊心もなにもすべてカラにし、まったく無一文にならないと保護が受けられないという状況が、この方の苦悩をさらに深めているんですね。

 は~。この貧しさは、見ているだけでつらい・・・。現在の日本の地方というのは、こういう状態でありましたか・・・。 

 ま、それだけでも私なんぞは結構唖然としちゃったんですけど、こういった悲惨な経済状況は何も地方だけのものではないらしいんです。例えば都会でも、若者が一旦社会からドロップアウトし、定住先を失ってホームレスになんかになってしまうと、その後で心機一転、職に就こうと思ってもなかなか難しいらしい。住所がない、ということが会社にバレてしまうと、一旦受け取った就職内定も取り消されてしまうんですって。ですから、一度は「社会に復帰してやり直そう!」と思っても、あちこちで就職を断られているうちに、再び無気力になってしまったりする。あるいは、どうにかこうにか職を見つけても、それは時間給の低い単純労働作業ばかりで、アパートを借りるだけの収入も得られなかったりするのだそうです。

 また若者だけでなく、不景気のために会社が倒産し、職を失ってしまった中高年の方も大変で、かつては年収600万ばかりあったのに、今はガソリンスタンドの夜勤などのパートタイム労働を3つくらい掛け持ちで、ようやく年収200万でかつかつの生活をしている人なども取材されていました。その人は奥さんを亡くしていて、二人の子供をどうやって大学まで行かせるか悩んでいましたけど、子供の方も親の事情が分かるのか、「どうせ大学には行けないよ」と半ば自暴自棄になっていたりする。

 上に述べてきたような人たち、つまり、働く意欲もあり、能力もあるのに、人間として普通の暮らしができないほどの貧しさに苦しめられている人たちのことを「ワーキング・プア」と言うらしいのですが、今の日本にはこの種のワーキング・プアが非常に多くなってきたのだそうです。昔のように「働かないから貧しい」とか、「能力がないから貧しい」というような状況じゃないんですね。それだったら、まあ、「貧しさは、本人の責任」と言えたかも知れませんが、ワーキング・プアの人たちの場合、その人たちの経済的苦境は必ずしも本人の責任ばかりではない。社会的システムの行き詰まりの被害者、という側面がありますからね。

 私なんかもよく、「働けど働けど、我が暮らし楽にならざり、じっと給料明細を見る」なんてふざけて言ったりしてますけど、私なんか上に述べてきたような方々に比べればトンでもなく恵まれているのであって、これからは世間並みの生活ができるだけ、感謝しなくてはなりますまい。早く大学辞めて、田舎暮らしがしたい、なんて言ってる場合じゃないのかも・・・。

 それにしても、今更ながら、現在の日本はこんなに貧しいんだ、ということを知らされて、ちょっとショックでしたね・・・。

 今、日本にはこんなにワーキング・プアな方々がいらして、国も地方も膨大な借金を抱えていて、しかも、そんなふうでありながらなお、国中のあちこちで信じられないほど馬鹿馬鹿しい税金の無駄遣いがある。これはもう、有機的な存在としての国の機能がストップしているとしか思えませんな。 

 どこかの時点で、この日本の現状を白日のもとに晒し、その状況を改善する手だてを考える国家的キャンペーンでもやらないとまずいんじゃないかと、番組を見ながら、そんな危機感を抱かせられました。さてさて、ブログをお読みの皆さんのご意見や如何に。  





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Last updated  July 26, 2006 01:47:03 PM
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