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テーマ:暮らしを楽しむ(388213)
カテゴリ:今日もいい日だ
特集記事に興味があれば、つい買ってしまう愛読の雑誌に『Pen』というのがあります。で、この雑誌の最新号の特集は「いま世界には、アートが必要だ。」というもの。となれば、やっぱり買っちゃいます。 で、私も暇な時間にパラパラと読んでいるわけですが、今回の特集の一番の見どころは、「注目すべき、17人の現代アーティスト」と題されたコーナーですね。ここでは日本や世界で活躍中のアーティストたちが紹介されている。で、私も注目してみたわけですが・・・ うーん、興味が持てるのは総勢17人のうち、わずかに2~3人ってとこかな~! で、この2~3人の中には、たとえば「天才アラーキー」こと写真家の荒木経惟(あらき・のぶよし)さんなんかも入ってきます。あと、絵画と写真をミックスしたような作品を作るゲルハルト・リヒターとかね。 でも、やっぱり今一番の注目といえば大竹伸朗(おおたけ・しんろう)かなあ! 大竹さんに比べちゃうと、今回紹介されている17人のうちの一人で、世評の高い奈良美智(なら・よしとも)さんあたりは大分見劣りがするなあ・・・。ファンの方には申し訳ないですけど、奈良作品は・・・あれはアートというより、単なるイラストじゃないの? 「こげパン」とか「たれパンダ」みたいな・・・(あー、言ってもうた・・・) ちなみに、私が大竹さんのことを知ったのは、実はそんなに昔のことではなく、せいぜい今から2年くらい前でしたかね。1970年代に大竹さんがイギリスに行っていた頃に描いたという、膨大な量のスケッチのことが、とある雑誌に紹介されていたんですな。で、それが実際、なかなかよかったんですわ。ほんの一筆書きのスケッチなのに、ネコはネコらしく、老人は老人らしく、見事にスケッチされている。で、思わず「この大竹伸朗なる人物は何者か」と調査を開始し、たとえばちくま文庫から出ている『既にそこにあるもの』なんて著書も読んじゃったりしたわけですが、読めば読むほど、知れば知るほど、「力あるね、この人!」という感を強めたんです。(ちなみに、この「力あるね!」というのは、今年の釈迦楽家の流行語です。発音の際は、「ち・か・ら・あ・る・ね!」と一語一語に力を込め、いかにも感心しきった感じで発音して下さい。) まあ実際、とにかくパワフル。現在までにそれこそトンでもない数の作品を仕上げているようです。もちろん基本は絵画なんでしょうが、油絵あり、スケッチあり、水彩あり、版画あり、といった具合。で、それらに加えて写真あり、コラージュあり、コンピュータ・アートありといった調子で、要するにどんなものでも手を染めちゃう人なんです。そしてオブジェ制作の方もすごくて、船くらいの大きなものから、ぐっと小さなものまで、これまたトンでもない数のオブジェも作っているみたい。それから彼は一種の収集家でもあり、道端で拾った紙切れだとか、マッチのラベルだとか、そんな紙屑みたいなものを大量にスクラップしているとのこと。でまた、世界各地を経巡って活動する一方、日本国内では敢えてメトロポリス東京を避け、四国・宇和島というローカルな場所からアートを発信するというところも面白い。 ま、そんな風ですから、これまでのところは日本のお行儀のよいアート・シーンから一歩離れたアウトロー的な扱いで、知る人ぞ知るという存在だったようですが、それがここへ来て、急に世間一般からの注目を惹き始めているような感じですね。そのことは、たとえば古書の世界を見ていても感じられます。大竹伸朗が若かりし日に出版した様々な作品集が、今、大手有名古書店なんかではガラスケース入りで華々しく売られていますもんね。そういうのを見ていても、「おお、今、大竹が来ているな!」という気配がひしひしと感じられます。 そこへもって来てまさに決定的だったのは、現在「東京都現代美術館」で開催されている「大竹伸朗 全景 1955-2006」という大回顧展。旧作新作合わせて2000点もの作品を一堂に集めた空前絶後の展覧会らしいですけど、ここまで大規模な個人展覧会が開催されるとなると、いよいよ大竹さんも、日本の現代アート・シーンのトップランナーとして、まっとうなお墨付きを得た、という感じなんじゃないでしょうか。 ということで、今の私の悩みは、この大展覧会を見ることができるかどうか、ということにかかっておるわけですよ。クリスマスまでの会期なんですけど、それまでに東京に出るチャンスがあればいいのですが、どうかな~、無理かな~・・・。これから卒論指導が厳しくなってくるもんな~。 ま、私が行けるかどうかは別として、大竹伸朗とその大回顧展、教授のおすすめ!です。今、東京で暮らしている釈迦楽ゼミOB・OG諸君! この展覧会には行っておきなさいよ! (で、行ったら僕の分の図録買ってきて! お金はあとで払うからさ!) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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