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テーマ:仕事しごとシゴト(23422)
カテゴリ:教授はつらいよ
今日のこと、というより昨日のことなんですが、私の同僚で「兄貴」と慕うK教授が、さる会議から戻ってくるなり、「世知辛いことになってきたよ~」とのたもうたんです。 何のことかと思ったら、大学評価のことなんですわ。 昨年国立大学が独立法人化し、文部科学省の直接の監督下に置かれなくなったことはご存じの方も多いと思いますが、それにともなって国立大学がちゃんと運営されているかどうかを見張る「大学評価機構」という団体が作られたんです。で、日本中の国立大学は、ものすごい大金を払って(!)この大学評価機構から「評価」を受けなければならなくなったわけ。 そういうと、世間の人は「それは当然だろ」と思われるかも知れません。しかし、外部団体が大学を評価するとなると、見るのは「数字」だけですからね。実質を見ないで数字だけで判断する。 しかし、大学ってところは商売やってんじゃないんですから、数字だけ見て成績出されても困るんですよね~。 で、困るところへ持ってきて、今回K教授が聞いてきたところによると、どうやら大学全体の評価だけでなく、個々の教員の評価も出すことに決まったらしい。 つまり、「平成19年度以前の過去3年間に何本の業績があるか」で、各教員の評価を出すらしいんですわ。しかし先にも述べたように、その際、見るのは「数字」ですから、過去3年間に画期的な論文1本書いた教授より、下らない論文3本書いた人の方を高く評価する、ってことです。オー、ノー! めっちゃ世知辛! ということでK教授と私、思わず二人してそれぞれ自分の過去3年間の業績数を胸算用してしまったことは言うまでもありません。 ま、自分で言うのもなんですが、兄貴にせよ私にせよ、全国レベルで見てもそれなりにいいセン行っているとは思うんですよ。しかし、業績の中身を無視し、数だけで評価されるとなると、もうちょっと上乗せしておいた方が評価機構の覚えがいいのかも・・・。でも、今年度ももうおしまいだし、上乗せするチャンスは来年度しかないしなあ・・・。 やばい、業績稼がなきゃ! というわけで、すぐさま来年度の大学紀要への投稿申し込みに走ったK教授とワタクシだったのでした。 しかし、「大学評価機構」の査察、レベルが低いね! 教員の個人評価するのはいいけど、業績「数」だけでなく内容評価まで踏み込むなり、もっと長いスパンで見るなりしてくれよ~。数年に一冊いい本を出す方が、毎年ちょこまか愚にもつかない紀要論文書くより世のため学界のためになるだろうに! ・・・と、不満たらたらなワタクシではあるのですが、しかし今回のことがきっかけで、ちょっとやる気も出てきました。 前にもブログに書きましたように、ワタクシ、うちの大学出版会の編集委員なんですけど、こうなったら自分で本書いて、自分で編集し、大学出版会から出版して、それを業績にしちまおうかな、なんて悪ダクミを思いついたんです。 これも以前ブログに書きましたように、ワタクシ、数年前から「ベーシック・イングリッシュ」というのにはまっておりまして、英語の授業ではそれを教えているんです。で、その教材はすべて毎回自前でプリントを作り、学生に配っているのですが、このプリントをまとめてしまえば、割と簡単に教科書ができるじゃないですか。 で、これを自分で編集して大学出版会から出版してしまえば、授業の時に学生に売れるわけですよ。毎年確実に数百部単位で売れる。しかも、これは自分の本ですから、自分の好きなように表紙のデザインから何からすべて決められるわけですよね。これは楽しそうだ! で、信じられないことに、うちの大学出版会の印税って、驚異の50%ですからね。通常の5倍ですわ。これならすぐ元とれる。っていうか、むしろ儲かります。 しかも儲かった上に、たとえページ数にして60~70ページくらいの小冊子であろうと、「大学出版会から単行本1冊出版」という業績も残せるじゃん! 大学評価機構の覚えもぐっとよくなるわけですよ・・・。 頭いいね、ワタクシ! それ、やろ。決まり! ということで、何だか急に楽しくなって、やる気が出てきたワタクシなのでした。大学評価機構、バンザーイ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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