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テーマ:食べ物あれこれ(50365)
カテゴリ:おいしいもの好き!
今日、ワタクシ、生まれて初めてフランス・パンを食べてしまいました。 いや、私の言うのは、ほんとのフランス・パンという意味ですよ。フランスで作ったパン。 実は敬愛するロケット工学の権威・F教授が今日、フランスでのお仕事からお帰りになったのですが、その際、パリの空港のパン屋さんで買ってきたパンをお土産に下さるというので、教授の研究所まで顔を出してそのパンを受け取ってきたんです。ですから、ほんの16時間ほど前まで、パリのパン屋さんの店先にあったパンなんですよ! いただいたのは大きなバゲットと、刻んだ黒オリーブの実が練り込んである硬く平べったいパンの2種類。「Paul」という、フランスでよく見かけるパン屋さんのものだそうですが、いやー、さすが本場! 夕食の時に食べてみたら、これが実に旨かった! まずバゲットの方ですが、日本で売っているものだと皮がやけにバリバリしたものがありますでしょ? そういうのと比べると、いただいた本場のバゲットはよほどしっとりした感じ。中の部分も気泡が少なく、みっしりと充実しています。食べてみても、堅からず、柔らか過ぎず、穀物の風味がしっかり効いていて、食べ応えがある。うーん、いいですなあ。 そしてもう一つのオリーブ実入りの方は、そのまま食べるとかなり歯ごたえがあるのですが、電子レンジで20秒ほど加熱すると焼きたての柔らかさと香りを取り戻し、こちらもなかなかいい感じ。もぐもぐと噛んでいるとオリーブの風味が口の中に溶け出してきて、これが食欲を増進させてくれるんですわ。 というわけで、今日の我が家の食卓は、まさに上等舶来のパンで大いに賑わったのでございます。 それにしてもF教授、世界的に活躍しておられます。今回のフランス行きも、9月に行われる国際学会の下準備だそうで、学会の理事会のメンバーとして研究発表の部屋割りなどを決めてこられたのだそうで、3日間、それこそ一日18時間労働で仕事をこなされてきたのだとか。 ちなみに、理事会の他のメンバーがフランス人とイタリア人だったので苦労した、とF教授はおっしゃっていました。彼らは瑣末なことまでいちいち細かく決めようとするので、時間がかかって仕方がないんですって。ですから、F教授が大鉈を振るい、大本となるルールだけはしっかりと守りながら、細かいことはあまり気にせずに案配してきたのだそうです。 F教授によると、こういう場合、イギリス人かアメリカ人がメンバーとして入っていると、ことがスムーズに運ぶのですって。つまり、アングロ・サクソン系の人たちは「administration(管理・運営)」ということを十分に理解していて、事実それをやるのが上手なのに対し、ラテン系はそこが駄目なんですな。木を見て森を見ないところがある、と言うんです。「だから戦争やると、ラテン系は負けるんだよなあ、あっはっは!」とF教授は豪快に笑われるのですが、長年国際的に活躍されている教授ならではの人種観は、多分に愉快な偏見が含まれているとはいえ、傾聴するに値しますね。 しかし、F教授を見ていると、何をやってもこの人には勝てないな、と思います。30代そこそこでアメリカのNASAからヘッドハントされたほど、科学者として世界にその名が知れ渡っているというところからしてそもそも負けてますが、NASAだけでなくスタンフォード大でも何年も研究生活を送られてきただけに、英語はネイティヴ並みにペラペラ。東大での学生時代には第4外国語まで勉強したというだけあって、ドイツ語も大概のことは分かるとのこと。勉強だけでなく、学生時代は柔道部で鳴らし、ボート部にも駆り出されて一橋大学との伝統のボート戦に出場されたほどですから、体力的にも敵わない。何しろ今日の昼間、フランスから帰って来て、時差ボケも何のその、明日は朝からテニスだ、というのですからね・・・。これがもうすぐ70歳になられようという教授か? という感じです。 それでいて、私なんぞと話をしていて、拙い私の文学談を面白がって下さり、鋭い質問を向けてこられるのですから、参ってしまう。F先生とお知り合いになれたことは、私にとって幸運でした。 というわけで、今日はそんなF教授のご活躍にあやかって本場のフランス・パンを食べることが出来、感謝感謝の一日となったのでした。今日も、いい日だ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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