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釈迦楽

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November 2, 2008
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カテゴリ:教授の追悼記

今日もまた、幾つか印象的な訃報を耳にしました。

一つはフランク永井さんですかねえ。ま、昨日今日亡くなったというわけではなく、もっと前に亡くなっていたようですが。

私の子供の頃は、既に全盛期ではなかったかもしれませんが、それでも毎年のように紅白歌合戦には出ていらしたので、すごい歌手なんだな、という印象は子供ごころに持っていました。ああいう低音ってのは、持って生まれた才能だったんでしょうね。その後、自殺未遂をされてからは世間から身を引かれていたようなので、もはや過去の人という感じではありましたが、それにしても残念なことでございます。ご冥福をお祈りしましょう。

あともう一人、アメリカ文学を専攻する身としては、アメリカのライターであるスタッズ・ターケル(Studs Terkel)氏が亡くなったことについても一言しておかなければなりますまい。

スタッズ・ターケルは、作家ではなく、ま、一種のジャーナリストとして、数多くの作品を残されました。代表作はピューリッツァー賞をとった『良い戦争』(The Good War) を挙げる人が多いでしょうが、この他『Hard Times』や『Working』なども有名。市井の人々の声をインタビューという形で掬い上げ、記録に留めると同時に、その人々の声を借りて時代を、歴史を描くという手法を確立した人として知られています。無名の人々のインタビューを積み上げるというやり方を、彼がどうやって思いついたか、それは分かりませんが、彼無かりせば、後に続くゲイ・タリーズの諸作品も、ジョージ・プリンプトンの『イーディー』も、あるいはカポーティの『冷血』も、生まれなかったかも知れません。

ちなみに、なぜ私がスタッズ・ターケルに肩入れするかと言いますと、実は私の師匠が好きなライターだったからです。スタッズ・ターケルはシカゴを拠点として活躍していたのですが、私の師匠もまた、色々な理由からシカゴを愛した人で、そんなところからスタッズ・ターケルのことも好きだったのでしょう。とりわけ、彼の『Division Street』という作品がお好きで、よくこの作品のことをおっしゃっていましたっけ。

アメリカの大きな街にはよくあることですが、ある通りを隔てて、ここから先は貧民街、というようなところがある。金持ちの世界と貧しい者の世界を区別する通り、アメリカの光と影を分かつ(divideする)通り、そういう通りがある。シカゴの場合、それがその名の通り「Division Street」なんですな。私も実際に師匠の後にくっついて、シカゴに実在するディビジョン・ストリートを散策したことがありますが、スタッズ・ターケルはこの通りを挟む人々の暮らしをインタビューすることで、アメリカという国の現実を語った。だから、この本の副題は「アメリカ」なんですね。

ま、そんなわけで、私の亡き師匠が愛したライターの一人が亡くなったという知らせを聞いて、私としても感慨があるわけですよ。

こんなことを書いていたら、何だかもう一度スタッズ・ターケルの本が読みたくなってきました。書架を探して、彼の本を引っ張り出してみようかな。





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Last updated  November 3, 2008 01:58:16 AM
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ケンケン@ Re:想像ふくらむ、理想のアメリカ短編小説集(06/26) 先生と同業の末席にいるものですが、 その…
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