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釈迦楽

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May 15, 2010
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 同業の先輩のブログを読んでいたら、「Found Poem」というものの話が書いてあって、これが非常に面白かったので、ちょっとご紹介を。

 この「Found Poem」、どういうものかと言いますと、まあ「詩」を書く一つの方法なんですが、まず新聞でも雑誌でも、とにかく何らかの文章(もちろん「散文」という意味)を見つけてくる。もちろん、見つける際のポイントは、その文章の中に何か印象的な言葉、強い力を持った言葉が含まれていることなんですけどね。

 で、その散文による文章の中から、自分が「いいな」と思った部分を任意に抽出し、それを適宜組み合わせていく。もちろんその組み合わせ方が重要で、意外な言葉同士を組み合わせたり、一続きの言葉をわざと分割し、行を変えて途切れ途切れに並べる、なんてのもいい。また元ネタにするのは一つの文章に限るものではなく、二つの別な文章から素材を抽出するのでもいい。とにかく他人の文章を細切れにし、それを材料にして自分のセンスで適当に組み替えながら、元の文章とはまったく別の構造物、すなわち「詩」を作ってしまう、と。で、この際、言葉を組み合わせる時にどうしても必要であれば自分自身の言葉を使ってもいいけれど、それは最小限にとどめる、というルールもあるのだそうです。あくまで、他人の言葉を用いる、というのが原則なんですな。

 つまり、ここで行われていることは、絵画で言うところの「コラージュ」ですね! ただ、それをコラージュとは呼ばず、敢えて「Found Poem」と呼んでいるのは、他人の文章の中に自分の「詩」を「発見」するから、でしょうな、きっと。

 で、先輩のブログによると、アメリカではこういう形の「作詩法」が、特に教育現場で唱導されているようで、コンクールなどを実施して高校生とか大学生あたりに「Found Poem」を実践させているらしい。確かに、言葉というものへの意識を高めるという意味でも有効そうですし、なによりゼロからスタートして詩を書かせるよりも簡単でしょうから、詩を書くということへのハードルを下げ、とにかく若い人たちに詩を作る経験を味わわせるという意味もあるのでしょう。しかも、コンクールとなれば、それにチャレンジする楽しみもありますしね。

 うーん、こういうことを思いつくということからして、アメリカってやっぱり面白いな、と思います。勉強もゲーム感覚のものに変えてしまう、というところがスゴイ。

 
 それにしても、この「Found Poem」と言うもののことを考えると、「詩」なるものの特質が明らかになるような気がしますね。例えばの話、この方法で「散文」を作らせたって意味ないですもん。他人の「散文」を利用して自分の「散文」を作ることなんて出来ないんじゃないかと思いますし、仮に出来たとしてもあまり意味がないような気がする。つまり「コラージュ」が可能なのは「詩」だけだ、ということですな。もちろん、詩というものが常にコラージュの産物だ、というわけではありませんが。

 でも、そんなことをあれこれ考えているうちに、何だか自分でも「Found Poem」なるものを作ってみたくなってきました。私のように「意味のある文章」しか書けない散文的な人間にとって、通常の意味での「意味」を超越しながら、別な次元で「意味」を発生させる詩というものを、「コラージュ」という手法を借りて作ってみる、ということは、いい頭の体操になるんじゃないかと。

 ということで、今日は先輩のブログに、大いに啓発されたワタクシだったのでありました、とさ。そのうち、このブログにヘンテコな詩を載せるかもしれませんが、もしそうなっても笑わないで下さいよ!





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Last updated  May 15, 2010 11:59:17 PM
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