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釈迦楽

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November 23, 2011
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カテゴリ:教授の映画談義

 昨夜、レイトショーで映画『マネーボール』を観てきました。ブラッド・ピット主演の野球映画。以下、ネタバレ注意ということで。

 と言っても、ストレートな話なんでね、あまりネタバレということはないの。ブラッド・ピット演じるビリー・ビーンは、選手からスカウトを経て現在はアスレチックスのGM。毎年そこそこの成績は残すものの、あと一歩のところでNYヤンキースなどに優勝をさらわれてしまう。

 原因は明らか。予算の問題なんですな。同じ大リーグのチームとはいえ、ヤンキースなどの人気球団とは予算の規模が違う。ですから、せっかくアスレチックスが優秀な選手をスカウトしてきて育てても、これからというところで金にモノを言わせる大球団にそうした選手を引き抜かれてしまう。まさに、アスレチックス自体が、他の大球団にとっての3Aみたいな位置づけになってしまうわけですな。

 で、2001年シーズンの後も、アスレチックスの看板選手を次々に引き抜かれ、チームの再編を余儀なくされてしまうと。

 で、それもいつものこととばかり、昔ながらのスカウトマンたちはビリーに彼らが発掘してきた有望新人の報告をするわけですが、こんなことを毎回繰り返していても埒が明かないと思ったビリーは、もっと別な手はないものかと思い悩む。

 そんな時、他球団と選手トレードの交渉をしている時に、その球団に野球人らしからぬ若い男が所属していて、そいつがその球団のGMに色々アドバイスをしているのをビリーは見かけるわけ。で、直接話をしてみると、ピートという名のその男は、名門イェール大卒の経済学のプロ。経済学の見地から見て優秀かつ安価な選手を見つけ出し、GMにアドバイスをするのを生業にしているとのこと。

 ただ、GMはそんな彼のアドバイスを受け容れることはあまりなく、ピートはピートで、自分の実力を発揮できず、一人悩んでいる様子。

 そして、そんな様子を見て取ったビリーは、ピートの提唱するマネージメント法こそ、現在の大リーグのあり方や、アスレチックスの運営に革命を起こす新たな道であると確信、なんと野球選手ではなく、ピートをその球団から引き抜いて、二人でアスレチックスの改革に着手していくわけ。

 その方針とは、徹底した出塁率主義。歳をとっていようと、故障していようと、プレイスタイルがカッコ悪かろうと、出塁率が高い割に所属チームで優遇されていない選手を、安い給料で引き抜いてきて、チームを構成するという方針なんです。そしてプレイでも、フォアボール出塁を重視し、バント禁止。投手でも同じで、変則的なフォームだろうと、防御率さえ高ければ採用。一人のスタープレーヤーではなく、全員野球で勝つ。そういう方向性です。

 で、もちろんそんなチームは、見かけも悪いし、スター不在では人気も出ない。古手のスカウトマンたちは猛反対ですし、監督もGMの方針を無視した采配ばかり。しかも開幕当初は負けが込み、周囲の反応は「それ見たことか」的な冷淡なもの。プレーヤー自身も、すっかり負け犬状態に落ち込んでしまう。

 しかし、自分たちが選んだ「マネーボール理論」の正しさを確信したビリーとピートは、そんなチーム全体の意識改革に着手。そして、理論的な戦略が浸透するにつれ、チームは強くなって行くんですな。

 そして、ついにアメリカン・リーグの連勝記録を塗り替える20連勝を達成、そしてワールド・チャンピオン戦への切符をかけてプレーオフにも進出。さて、ビリーとピートのマネーボール理論は、旧来の大リーグシステムを打倒できるのか?!


 ってな話です。

 
 さて、で、この映画に対する私の批評点ですが・・・

 「73点」でーす! 合格。

 
 ビリー・ビーン自身、超高校生級プレーヤーとしてある球団からスカウトされ、スタンフォード大への推薦進学を蹴って野球界に進んだものの、期待された活躍が出来ず、空しくグランドを去ったという経験があって、そうした自分の体験から「金を積んでスタープレーヤーの青田買いをし、もしうまく行かなければ使い捨てる」という旧来の大リーグのやり方を変える野望を抱いていく、そんなビリーの個人的な思いも含めて描いていくこの映画、まあまあ面白いのですが、ああ面白かったと思って振り返ってみると、さほど感動的な場面も思い出せないというか。ビリーとピートが色々苦労する場面も確かに描かれてはいるのですが、結果から見ると、彼らの狙いが思惑通りに行った、という感があって、ちょっと話が旨すぎると感じてしまうところもある。

 ま、その辺の印象も含めてのこの点数って感じですかね。

 でも、見て損した、という風には思いません。強いて言えば「佳作のちょっと下」というあたりかな。

 あと、50歳に近づいたブラッド・ピットが、割とこう、肩の力が抜けた演技をしていて、それは結構いいですよ。ちょっと『普通の人々』を撮った頃のロバート・レッドフォードの味わいに近いと言いましょうか。雰囲気的に。ということで、この映画、お好きな方はどうぞ、と言っておきましょう。


 しかしこの映画、実在する、というか、今もなおアスレチックスのGMを現役でしているという人物をモデルにしているわけでしょ。『ソーシャル・ネットワーク』もそうですけど、現役の人物の評伝で次々と映画を作ってしまうとなると、アメリカの映画界のネタ切れぶりも深刻ですなあ。この調子ですと、どうせ近いうちにスティーヴ・ジョブズの映画もできそうだし。

 一方、『コンテイジョン』なんて、何を今更的なウイルス・パニック映画を作っているんですから、もう末期症状。もうハリウッドも終わりかなあ・・・。





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Last updated  November 23, 2011 08:33:01 PM
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