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テーマ:暮らしを楽しむ(388220)
カテゴリ:教授の映画談義
今日は近くの小劇場で、『50/50』という映画を観てきました。 が、その前に腹ごしらえ。東山公園というところにある「トレントット」という洋食屋さんに行ったのですが、今日我々が注文したのは「Aランチ」。最初にスープが出て、生ハム&メロンなどもちょい乗せしてあるサラダプレートが続き、次いでメインの「鰆の香草パン粉焼き」が登場するという布陣でしたけど、鰆の香草パン粉焼きが味付けもしっかりしていて鰆の味も上々、これで1,000円は安い。これに食後のコーヒーとティラミスを一つとって二人で2600円位だったかな? 満足、満足でございます。 で、映画なんですけど(ネタバレ注意!)、主人公のアダムは27歳で、地元シアトルの公共ラジオ局に勤めるごく平凡な男。一応、画家の彼女(レイチェル)が居て、同居しているのですが、あまりしっくりは行っていない様子で、同じ局に勤める高校時代からの親友・カイルからは「女を見る目がない!」とからかわれる始末。しかし、まあそれでもごく普通のサラリーマンとして、ごく普通の日常を暮らしていたと。 ところが、腰痛を見てもらうために病院に行ったところ、アダムは自分が脊髄の癌に冒されていることを知ります。5年後の生存率は、どうやら50%程度らしい。 もちろんショックの第一段階がアダムを襲います。そしてショッキングなニュースを知った母親(父親の方は既にアルツハイマーが進行していて事態が呑み込めない様子)の動揺や、同僚たちからの心遣い(「さよならパーティー」を開いてくれたり・・・)など、差し当たり想定された幾つかのリアクションを経て、いよいよ本格的な治療も始まることに。 どうせ髪の毛を失うのなら先手を打って、とばかり、親友カイルの電気バリカンを借りて自ら坊主頭になってみたり、一応の覚悟をして臨んだつもりなのですが、やはり化学療法の副作用は辛く、また、初めのうちは彼を支えるようにふるまっていたレイチェルも、いつしか彼のことが重荷になり、他の男に鞍替えしてしまう。かといって、やたらに彼のことを気遣ってくる母親もうるさいばかりで、アダムのイライラは募るばかり。そのイライラを解消するために通い始めたセラピーも、若いセラピストのキャサリンの未熟さばかりが目について、一向に役に立つ気配もない。 しかも、化学療法で知り合った同病の仲間も、治療途中で亡くなったりして、アダムはいよいよ自分の死を意識せざるを得なくなってくる。何かとアダムを支えてくれた親友カイルとも、些細なことで喧嘩してしまったり・・・。 しかし、そうやってどんどん孤独になっていくアダムではありますが、実際には、そうではなかった。親友のカイルは、アダムの病気を軽く見ているようなふりをしながら、実は彼のことを深く案じていたことが分かってきますし、アダムの神経を逆なでしてばかりいる母親も、彼女なりのやり方で息子の危機と共に戦おうとしていたことも分かってくる。そして未熟なセラピスト、キャサリンもまた、次第に単なる患者として以上にアダムのことを心配していて、アダムもまたそのキャサリンの優しさに頼っている自分に気づきはじめる。 で、いよいよ外科手術の日となります。化学療法は効を奏しておらず、癌の進行は予想していたより速かったんですな。予断を許さぬ状況の中、アダムは、両親とカイルと、そしてキャサリンに見守られながら手術室へ。 果たしてアダムは、生還できるのか?! そして淡く芽生え始めたキャサリンとの関係は?? ってな話です。 で、私のこの映画に対する点数はと言いますと・・・ 「79点」です! 合格。 ま、大感動を呼ぶというようなアレではないですけど、仮にもし自分が癌と診断されたら、きっとこの映画が描いているような経緯を辿って、気分が落ち込んだり、逆にハイになったり、自分を支えてくれる周囲の人々とぶつかったり、逆に彼らにすがったりするんだろうな・・・というような、そういうリアルさと言いますかね、「非日常的な日常」というのか「日常的な非日常」というのか、そういう状況が生じるんだろうな、という気がします。この映画の脚本を書いた人が、実際に癌にかかった経験を持つそうですから、その辺のリアルさというのは本物ですな。それにアダム役の役者さんも、親友カイル役の役者さんも、それからセラピストのキャサリン役の女優さんも、それぞれ愛嬌があってよかったですしね。 まあ、いざと言う時に、家族なり親友なり恋人なりが居てくれるというのは、本当にありがたいことなんだろうなと。そういうことを、しみじみと思わせてくれる映画でございました。 ということで『50/50』という映画、教授のおすすめ! と言っておきましょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 19, 2012 09:17:52 PM
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