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カテゴリ:教授はつらいよ
今日も今日とて、不毛な会議に3時間も出席して参りました。半分寝てたけどね。 今、うちの大学では1、2年生の時に受講する「教養科目」の改革をしようとしているんですけど、「教養」って何か、ということのコンセプトがまるで定まってないわけ。で、コンセプトがないまま、好き勝手に「あれも教養」「これも教養」って感じで、個々の授業題目だけが先行して決まっていくというね。ま、その授業科目を担当する個々の先生の顔を思い浮かべながら考えているわけだから、どうしてもそうなっちゃうんだけど。 だけど、結果として挙げられている授業を見ると、まあ、これがつまらなそうな題目ばかり挙がるのよ。 例えば、文系の学生向けに「宇宙のはじまり」とか。そんな話聞きたい? 「防災学」とか。何それ? 防災なんて「津波てんでんこ」って覚えておきなさい、で終わる話じゃないの? 私が思うに、大学生に必要な教養って、「新聞がまともに読める能力」じゃないかと思うんですよね。 新聞をまともに読むって、結構、難しいですよ。新聞って、色々な話題があるからね。 例えば「株式欄」ってありますからね。株式欄ざっと見て、「ああ、日本経済って、今、こうなっているのね」って、分かります? 「東証株価指数」とか、「TOPIX」とか、「キャッシュフロー」がどうだって言われて、何のことか分かるかって言われたら、意外に多くの人が正解を言えないと思います。 とすれば、大学の教養科目で「株式の何たるか」を教え、日経新聞や会社四季報をざっと読めるくらいにしてやったら、身に着けておいて損はない教養になるんじゃないか。 また新聞には海外の政治に関する記事もありますから、それが読めるようにする。アメリカ大統領選で、今何が争点になっているのか、シリアで何が起こっているのか、ギリシャがEU抜けると何が問題になるのか。大体、いまどきの大学生なんて、現職のイギリス首相やフランス大統領の名前が言える奴なんて、そんなにいないですよ。そういうことを、教養科目の中で教えて、海外の政治動向に興味を持たせるなんて、良いテーマじゃないですか。 さらに新聞には文化欄がありますからね。文芸時評、音楽時評、美術時評、ファッション時評と、色々ある。日本古来の文化についての記事だってあります。浄瑠璃などに対して、大阪市が補助金を出ししぶっている問題にしたって、そもそも「浄瑠璃って何?」ってところから理解してないと、なかなか分からないですよ。 とまあ、新聞が扱う話題を包括的に理解するとなると、結構な教養が必要となるわけで、それを大学の教養科目として扱えば、勉強になることも多いだろうし、公務員試験や就職試験における「常識問題」への対策にもなるじゃん? それに、その見地から個々の授業題目を決めて行けば、トータルとしてうちの大学が学生に何を教えようとしているか、そのコンセプトが明確になっていいじゃないですか。 ・・・と、ワタクシは思うのですが、大学ってところは頭の固いセンセイ方が多いからね。こういう話をしても、通用しないんだ、コレが・・・。 で、結局、文系の学生に「星はどうして生まれるか」なんて授業をやっちゃうわけよ。まあ、もちろんそれも教養っちゃ教養だけど、学生も「なんで文系の俺たちが、星の成り立ちとか勉強しているんだろう」って、思うよね・・・。可哀想に。 というわけで、ワタクシには同僚の皆さんのお考えになっていることが、さっぱり理解できないのでありました、とさ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 5, 2012 01:08:09 AM
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