教授のおすすめ！セレクトショップ

　年も押し詰まって参りまして、そろそろ一年を総括する時期となりました。

　ということで毎年恒例、年末企画第一弾、釈迦楽カー・オブ・ザ・イヤーの発表と参りましょう。だけどその前に各メーカーの総括を。


国産車編

トヨタ
　アクア、ヴォクシー／ノア、ヴィッツ、プロボックスなど、売れ線のマイナーチェンジなどがありましたが、今年のトヨタの話題はなんといっても燃料電池車「ミライ」の発売でしょう。内燃機関の革命とも言うべきこのクルマを、予想よりも早く実車化したという意味で、世界のクルマの歴史の中でも輝かしい一頁を刻んだと言ってもいい。プリウスでハイブリッドカーの先頭を切ったように、このクルマで燃料電池車の先頭を切る意志を示したトヨタ。総合力の高さを見せつけたところがあります。

ニッサン
　そのトヨタに比べてニッサンの惨めなこと。強いて言えば、スカイラインに採用した「ドライブ・バイ・ワイヤ」のシステムが新技術と言えそうですが、そういう革新の方向性が全然トンチンカン。「技術のニッサン」と言われた過去が、遠のいて見えます。

ホンダ
　今年は新車攻勢の年。レジェンド、グレイス、ヴェゼル、そして来年あたりは噂の軽スポーツ「Ｓ６６０」が登場するのではないかと。
　しかし、結局はグレイス、ヴェゼルなどはフィットの派生車種であり、ここ十年ほどのフィット頼みの体質からの脱却は出来ず。むしろ頻発するリコール問題で、製品の品質管理に問題を露呈した一年でした。ヴェゼルは、ちょっといいかなと思いましたけどね。

マツダ
　一連の「スカイアクティヴ」計画が大当たりして、大いに株を挙げたメーカー。ＣＸ－５が売れ続けているのに加え、今年は主要車種のデミオがスカイアクティヴ技術満載で新型になり、ますます絶好調。来年はＣＸ－３とロードスターが登場するでしょうから、マツダの快進撃は当分続きそう。ニッサンの迷走ぶりと比べ、芯のしっかりしたマツダの方向性が、今日の繁栄を支えていると言えましょう。

スバル
　レヴォーグが出たり、ＷＲＸが出たり、レガシーが一新されたり、ここも新車攻勢の一年。アメリカでも売れまくり、会社としては絶好調。しかしここのクルマはオートマがすべてＣＶＴで、その点でワタクシにはまったく魅力なし。ＣＶＴに最初に取り組んだメーカーとしてのプライドがあるのかも知れませんが、つまらないトランスミッションであることはどうしようもない。多段トルコンか、ＤＣＴを載せたら、良いクルマになると思うのですけどねえ・・・。

スズキ
　何と言ってもハスラーが売れまくって、ウホウホの一年。実際、私も欲しくなる一台。ただ、これもＣＶＴなんだよな・・・。その他ワゴンＲとかも新型になったのかもしれませんが、私の目から見ると、初代ワゴンＲの素晴らしさから遠のくばかりで興味なし。来年はエスクードを刷新し、ライトウェイトＳＵＶ市場に殴り込みをかけるらしい。ＳＵＶ技術には定評のある会社ですから、面白いかも知れません。

ダイハツ
　ムーヴが新型に。また新型ウェイクも売れているらしい。けれど、何と言っても今年のダイハツは新型コペンの登場かと。前のコペンの方が可愛いという説もあれ、クルマのクオリティとしては新型の方が格段に上ともいい、いずれにせよ、マイクロ・スポーツカーの世界を提供している唯一のメーカーとして頑張ってもらいたいもの。ただし、来年ホンダがこの市場に出張ってくると、うかうかはしていられないでしょう。


　　
外車編

ドイツ
　ベンツ、ＢＭＷの本気の攻勢がすごい。ベンツは売れ線のＣクラスが新型化した他、車種も多様に。ＢＭＷに至っては、一体いくつ車種があるのか分からないくらいですが、見るべきはＥＶの「i3」とハイブリッド・スポーツの「i8」か。ドイツ御三家の中では比較的地味な活動に終始したのがアウディですが、ここも車種が増えて増えて。
　ドイツ車＝高級車という定評を自らかなぐり棄て、ニッチ・マーケットにまで進出してきたこれら御三家。もう、何がなんだかわかりません。
　一方、フォルクスワーゲンはゴルフ７が相変わらず好調の他、ポロが新型に。迷いがありません。


フランス
　ルノー、プジョー、シトロエンの御三家の中ではルノーの攻勢がすごい。ヴァン・デン・アッカーのコンセプトによるデザイン展開が奏功して、その存在感を高めております。ルーテシアは本気で買おうかと思ったくらいですし、メガーヌの新型も相当いいらしい。ライトウェイトＳＵＶのキャプチャーもいいし、カングーも新型化。で、来年、超小型のＲＲ車、トウィンゴが発売されるとなると、ますますこのメーカーから目が離せません。
　一方、プジョー、シトロエンは、トランスミッションが相変わらずシングルクラッチの自動ＭＴだったりして、その点でＤＣＴ化したルノーに大きな後れを取っております。日本市場がまだわかってないのかね。


イタリア
　フィアット・パンダがマイナーチェンジ。あと、他に何かありましたっけ？


イギリス
　ディスカバリーが新しくなったのかな？　他はよく分からず。ただ、来年導入されるかもしれないジャガーの最小車種、ＸＥはどうなのか。ミニ・ジャガーはお買い得なのか、それとも小さいジャガーはジャガーじゃないのか。興味深く見守っていきたいところ。


アメリカ
　フォード系が頑張っていて、フィエスタもフォーカスもエコスポーツもクルマとしてはいいみたい。特にフィエスタは、１リッターカーとは思えないほどの出来だそうですが、どこで売っているの？　


スウェーデン
　ボルボは頑張っているようです。車も悪くない。デザインも悪くない。だけどなんだろう、この訴求力のなさは？　ヴィッツくらいの大きさの、簡便なボルボ、みたいなのを作ってみたら？　　　



　ということで、今年の釈迦楽カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたのは・・・


　うーん、難しいけど・・・・


　トヨタ「ミライ」に決定！　究極のエコカーがクルマ社会の未来を変えると信じて。おめでとうございます！


　ただし、本音は別のところに。

　今年、クルマを買い替えた私。結局シトロエンＣ４にしましたが、最後まで悩んだのはルノー・ルーテシア。あれはすごいクルマでした。で、ルーテシアがあれだけいいと、そのＳＵＶ版であるキャプチャーも相当いいのだろうなと。
　
　そういう意味で、今私が本当に関心があるのは、「ミライ」ではなく、もっと身近な「次の選択肢」となりえるクルマです。では、それは何かといいますと・・・


　ルノー・ルーテシア
　ルノー・キャプチャー
　ルノー・トウィンゴ　
　フォルクスワーゲン・ゴルフ７
　マツダＣＸ－３
　ジャガーＸＥ
　スズキ・ハスラー
　ダイハツ・コペン
　ホンダＳ６６０


　の９車種。トウィンゴとＣＸ－３とホンダＳ６６０とジャガーＸＥはまだ出てすらいませんけどね。この中で、特に現実味があるのは、ＣＸ－３とキャプチャーとトウィンゴかな。
　
　となると、私にとって本当に楽しみなのは、来年のクルマ市場かも知れません。