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カテゴリ:教授の追悼記
GWで実家に帰省しております。今日は平日だったせいか、東名も渋滞はほとんどなく、比較的スムーズな帰宅となりました。
ところで帰宅早々、残念な報せを受けまして・・・。 父の元同僚だったK先生が亡くなったとのこと。多分、まだ60代だったのではないでしょうか。 そのK先生は、もうかれこれ20年近く病気をされていて、そのせいで勤務先も定年よりはるかに早く辞めざるを得なかったんですな。ご結婚はされていなかったので、そのままご母堂様と共に暮らしながら、闘病生活に入られた。 ところで、K先生は専門は英語の先生ですが、絵の才能がおありで、父の同僚だった頃から毎年、手作りの版画による年賀状を送ってこられたんです。で、その版画があまりに見事なもので、父ばかりでなく、私も毎年楽しみにしていたほど。 で、ご自身でもその才能に賭ける気になられたのか、この数年、体調の良い時を選んで版画の制作に打ち込まれ、昨年の秋口には、お仲間と一緒に小さな画廊を借りて展覧会を開かれたんです。 で、その案内状がわが家(実家)にも届いたのですが、その案内状に印刷されていたK先生の出展作がすごく良くて、私がそれを買いたいと言い出したもので、その展覧会を見に行った父が代りに買って名古屋の私の家に送ってくれまして。 で、K先生は私が先生の絵を買ったことをひどく喜ばれたんです。やはり、作品を買うということは、そのこと自体、最高の評価ですからね。お金を払ってでも、自分のものにしたいと思った人がいた、ということですから。で、父を介して、K先生は私に何度もお礼をしてくれた。私が買ったK先生の版画は、今もわが家の玄関に飾ってあります。 そのK先生が、この3月に亡くなられ、密葬を済まされた後、つい二、三日前に父の元にその旨を知らせるご遺族からの葉書が届いたと。 うーん、展覧会を開いたのは昨年の秋口だったのに! それからわずか半年で! 私はK先生のことを直接知っていたわけではなく、どこまでも父の元同僚として、父を介して存じ上げていたに過ぎないのではありますが、ずっと病気に苦しめられていたこと、そしてその中で版画制作という生き甲斐を見つけられたことを知っているだけに、そしてその版画が、私の目には素晴らしいものに思えただけに、何だかとても切ない気がします。 この世では、苦しいことの多かったであろうK先生ですが、今はあの世で、精一杯、版画を作られていることを念じながら、ご冥福をお祈りしたいと思います。合掌。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 2, 2015 12:01:49 AM
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