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カテゴリ:教授の読書日記
サリンジャー研究では大先輩に当る田中啓史先生の『ミステリアス・サリンジャー 隠されたものがたり』と『イエローページ サリンジャー』という本を2冊並行して一気読みしましたので、心覚えを。
・・・と言いたいところなんですが、うーん、どうかな。前者後者とも、未収録短編の筋書きの解説とかも多く、それを既に読んでいる側としては、特に新しい情報もなく。また『ミステリアス・サリンジャー』の方は、後半、サリンジャー作品の深読みの試みがなされていて、作品に登場する数字の意味とか、そういうのが事細かになされているのですけれども、そういうのは、今が今、私の興味の対象ではないので。 ただ一つ、『ミステリアス』の方に、映画『愚かなり我が心』のセリフが『ライ麦畑』に使われているところがあるという指摘があって、サリンジャーがあの映画に激怒した、その名残がはっきりとした形で残っているというのは、私としても使える情報だったかなと。 だけど、まあ何と言いますか、先日読んだ竹内康浩さんの本もそうですけど、サリンジャーの作品の深読みって、今の私には興味無いな。深読みしなくたって、十分に面白いんだもの。その面白さだけで十分って気がする。それに、サリンジャーがどういう人か、という情報にも興味がない。ただ、サリンジャーのファンはサリンジャーに会いたがるという現象だけは興味がある。それは、彼の作品の特異な魅力がもたらす現象だからね。そんな作家・作品って他にない、という意味で、すごく面白いと思う。 そこで、今、主人公がサリンジャーに会いに行くばかりか、サリンジャーを誘拐してしまう、という筋書きの小説、『シューレス・ジョー』を読んでいるところ。最近、そんな小説やら映画ばっかり見ているので、もうなんだか、私までニューハンプシャーのコーニッシュの地理に詳しくなってきた感じがしますな。 ま、この小説と、その映画版に関しては、また後日。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 24, 2018 11:55:32 PM
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