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カテゴリ:教授の読書日記
元日にブックオフで買ってきた見城徹氏の『たった一人の熱狂』という本を読了しましたので、心覚えをつけておきましょう。
幻冬舎を率いる総帥として見城徹氏のことは知っていたし、相当なヤリ手だなとは思っていたものの、あまりにもエネルギッシュ過ぎて私の世界にはいない人かなと思い、さほどの興味は持っていなかったんです。でも、今回この本を読んで、いやいや、案外、この人は私の世界の人なのかなと思い始めたというね。 まず、この人の仕事ぶりがすごい。例えば五木寛之の本が欲しいとなったら、五木さんが新刊を出した5日以内に熱烈な感想文を送り続けるとか、石原慎太郎に何か書いてもらいたいとなったら、石原さんの前で『太陽の季節』の全文を暗唱してみせるとか、そういうことをやるんだからね。しかもそれを単なるハッタリとしてじゃなくて、誠意でやるのよ。 まあ、見城さんの仕事の極意というのは、結局、そこに行きつくわけ。誠意を示す。約束は絶対守る。圧倒的な仕事でそのことを実地で見せる。 しかもこの人は義理の人。恩義を大切にする。恩を受けたら、必ず恩で返す。それも単なるギヴ&テイクじゃなくて、一つのテイクを取るために、その10倍、100倍のギヴをする。しかも、相手のためにならないことは決して頼まない。そういうルールをきっちり決めて守りきる。 彼は角川書店で角川春樹の右腕として大活躍していたわけですが、その角川春樹氏が麻薬で逮捕され、社長を追われた時、見城さんも他の役員と一緒に角川さんを社長の座から下ろす投票をするのですが、それと同時に角川書店を辞めるわけね。恩義のある人に弓を引いたから、そのけじめをつけたと。 ううむ。893気質の私とウマが合いそうな感じじゃないですか。 その他、彼の日頃の心がけを見ると、自己啓発思想のど真ん中を行っております。 例えばこの本の中で見城さんは何回も言っているのですが、人間は確実に死に向って歩んでいるのであって、今、この瞬間が一番死から遠いと。だから、今、この瞬間を熱狂的に生きて、いざ死が迫った時にできるだけ悔いのないようにすることを心掛けていると。 これなんか、「今日が自分の人生最後の日だと思って生きよ」という自己啓発思想の基本概念と同じだよね。 あと、今やっていることで最大限努力すること以外、将来のチャンスをものにする方法はない、と確信しているところも、自己啓発思想のど真ん中よ。 あと、ハワイのホ・オポノポノなんかもそうだけど、嫌なことの記憶だけでなく、良かったことの記憶も決して、常に自分をゼロの状態にしろ、それが次なる運を呼び込む道だ、という自己啓発思想がある。それはこの本の中で、見城氏が「一つの仕事が終ったら、その虚しさをぐっとこらえて、次の仕事に邁進しろ」とか、「成功に浸るな」と言っているのも、この自己啓発思想に通じるところがある。 ま、そんなことも含めて、とにかくこの人の仕事ぶりはスゴイ。読むと「おお、俺も頑張らねば!」という気になるよ。マジで。 ということで、この本、自己啓発本として至極真っ当だし、見城徹という人はやっぱり名を上げるだけのことはしているし、義理人情には厚いし、いい人じゃん、という気になってきた。 やっぱり、外見だけで人を判断しちゃいけませんな。 【中古】 たった一人の熱狂 仕事と人生に効く51の言葉 /見城徹(著者) 【中古】afb お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 10, 2019 01:00:08 PM
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