6179999 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

教授のおすすめ!セレクトショップ

教授のおすすめ!セレクトショップ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

釈迦楽

釈迦楽

Keyword Search

▼キーワード検索

Freepage List

Shopping List

お買いものレビューがまだ書かれていません。
May 1, 2019
XML
カテゴリ:教授の読書日記
アメリカの人気ロマンス作家、ノーラ・ロバーツの『ときめきのシャトー』(原題:Search for Love, 1982)を読了しましたので、心覚えをつけておきましょう。

 これ、もとはシルエット・ロマンスの一冊だった奴ですね。あとでハーレクインがシルエットを買収したので、今はハーレクイン・ロマンスに入っておりますが。大体、ハーレクインにはアメリカ作家ってほとんどいないのよ。

 ま、そんなお家の事情はともかくも、本作の主人公はワシントン郊外のジョージタウンに住むセレニティ・スミス、24歳。弁護士で穏やかな性格で、結婚相手としては申し分のないトニーと付き合っているけれど、イマイチときめかない感じ。

 そんなある日、セレニティは突然、フランスはブルターニュ地方に住む伯爵夫人で、セレニティの母方の祖母だと名乗るフランセーズ・ド・ケルガレンから招待を受け、フランスに向うことになります。セレニティはそれまで飛行機事故で最近亡くなった父と母から祖母の話など聞いたこともなく(そんなことある?)、ましてや祖母がフランスの貴族である(ということは、セレニティの母親もセレニティ自身も血筋から言えば貴族ということになる)なんて聞いたこともないので、いささか面喰いながらも、とにかくどういう事情なのか、突きとめようということでセレニティは果敢に一人、フランスに旅立つと。

 で、着いてみると、迎えにきたのが祖母ケルガレン伯爵夫人の孫でケルガレン家当主のクリストフという男。黒目勝ちな茶色の瞳をした、優雅さと野蛮さを兼ね備えた偉丈夫なんですが、アメリカからやってきた血のつながらない「いとこ」に対して傲慢かつ慇懃無礼な態度。セレニティはいきなり反感を持ちつつ、とにかく広大な敷地のお城までクリストフに連れて行ってもらうことになる。

 で、祖母であるという伯爵夫人に初めてお目見えするのですが、これがまた偉く気品と風格のある老婦人ではあるものの随分と高飛車で感じの悪いおばあさんなんですな。で、セレニティは祖母からこれまでの経緯を聞かされることになる。

 それによると祖母の夫はとうに亡くなり、娘(セレニティの母)のゲイルは、ジャン・ポール・ル・ゴフというフィアンセがいたのだけれど、ある時、このジャン・ポールがみすぼらしい恰好をしたアメリカ人画家であったジョナサン・スミスの才能に惚れこみ、彼を城に連れてきて、フィアンセであるゲイルの肖像画を描かせたと。そしたらジョナサンとゲイルができちゃって、子供(つまりセレニティ)まで出来、それで二人はアメリカに駆け落ちしたんですな。その際、祖母が大事にしていて、いずれルーブル美術館に寄贈するつもりだったラファエロの絵まで盗んで行った。で、祖母はゲイルを勘当し、今日に至ると。

 一方、祖母はクリストフの祖父と再婚するのですが、再婚相手のケルガレン伯爵には連れ子の男の子がいて、これがクリストフのお父さん。だけど、クリストフのお父さんもお母さんも既に亡くなり、今はクリストフが当主となってこの城を継いでいるという次第。

 とまあ、そんなことを聞かされたセレニティは、自分の両親を泥棒みたいな言い方で非難する祖母と大喧嘩。すぐさまアメリカに帰ろうとするのですが、それじゃあ負け犬みたいだってんで、しばらく平然とこの城に滞在してやる決意をする。セレニティは画家なので、この素晴らしい城を描きたいという欲望もありまして。

 で、セレニティの御守り役には当然、クリストフが付くわけですけれども、こいつがまたえらい傲岸不遜な奴で、セレニティがあれこれ言い出すと、いきなりがばっと抱きすくめてぶちゅーっとチューをして口を封じた揚句、すぐブラウスをはだけさせてセレニティの「丸いふくらみ」やら、その上にあって誇らしげに自己主張している「バラ色のつぼみ」をまさぐるといった、ほとんど犯罪的なセクハラ行為に及ぶと。

 だけど、そんなことされてもセレニティはむしろ憎いクリストフにどんどん惹かれて行き、「(アメリカに残してきた恋人の)トニーにはこんな気持になったことないわ」的なことをほざく始末。

 で、そんな調子でクリストフとセレニティは互いに惹かれていきながらも、そこはそれハーレクインのお約束、誤解と嫉妬の嵐が巻き起こる。

 クリストフには幼馴染みのイブという男がいて、そのイブの妹にジュヌヴィエーヴっていう性格のよいべっぴんさんがいる。で、セレニティはてっきりこのジュヌヴィエーヴはクリストフの恋人なんだと思い込むわけ。一方、クリストフはセレニティにはトニーという恋人がいることを知ってこれまた嫉妬の嵐。

 で、そんな折も折、トニーがなぜかフランスにやってくるという事件が。

 ま、たまたま弁護士会の会合か何かがフランスであって、そのついでに寄ったのですが、しばらくぶりで会ったトニーにセレニティはちょっと緊張がほぐれ、ホッとしたりなんかして、その仲睦まじさがさらにクリストフの嫉妬に油を注ぐと。
 
 しかし、セレニティはクリストフとトニーを比べ、やっぱ、クリストフに惹かれている自分を改めて見出します。それに、フランスのお城での貴族的な生活を知ってしまった今となっては、ジョージタウンでのアメリカ的で散文的な暮らしに戻る気もせず。

 で、そうした心移りを敏感に察知したトニーは、潔くセレニティを諦めて、アメリカに戻って行きます(随分物わかりが良いもんだねえ・・・)。で、帰り際、セレニティの顧問弁護士からの封書を手渡していく。

 その封書は、亡くなったセレニティのお父さん、ジョナサンからのもので、死後開封の封書だった。そしてその中身は、自分とセレニティのお母さんがどうやって結婚したかの事情が書いてあった。

 それによると、まあ確かに自分の画家としての才能を愛してくれたジャン・ポールを裏切ることになってしまったけれども、ゲイルとの愛にいささかも恥じるところはないと。そして、ラファエルの絵については、それを見せられた時から、それが偽物であることを見抜き、もし伯爵夫人がそれをルーブルに寄贈しようものなら、世間の恥さらしになることを怖れて、隠してしまったのだと。どうやら、もとは本物だったのだけれども、祖母の最初の夫がドイツとの戦争の最中、ナチス側にその絵を秘かに売ることで、自分たちの安全を約束させていたらしいんですな。で、それがばれないように、精巧な偽物を作らせ、城に飾っていたと。

 だから、セレニティの父親はラファエルを盗むどころか、祖母を汚名から救っていたと。で、そうした事情を知らされた伯爵夫人もすっかり納得して、過去の誤解を詫び、セレニティを受け容れることにする。

 そして、セレニティは、父がどこにそのラファエルの絵を隠したかも見抜きます。それは、父が描き上げ、今も城に飾ってある母ゲイルの肖像画の下(裏?)にあるはずだと。

 一方、セレニティはクリストフとジュヌヴィエーヴの仲を疑っていたのですが、実はジュヌヴィエーヴの意中の人は別にいることが判明。

 かくして双方何の障害もなくなったクリストフとセレニティは、目出度く結ばれることになりましたとさ。

 ってな話。

 まあ、やっぱりロマンスってのは、どこかに貴族さんが出てこないといかんわけですな。そしてアメリカ女性(だとばかり思っていた)セレニティは、弁護士などというアメリカ的な職業人とではなく、貴族と結婚して伯爵夫人になると。

 それにしても、まあハーレクインのヒーローってのは、犯罪的なセクハラ野郎ばっかりで、なのにそんな奴にレイプまがいのことされてうっとりしちゃうなんて、ヒロインもよく分からんな。PCの時代に、否、PCの時代だからこそ、空想上でこういうシチュエーションを楽しむということなんでしょうか。



【中古】 ときめきのシャトー / ノーラ ロバーツ / ハーレクイン・エンタープライズ日本支社 [新書]【宅配便出荷】


 え? 今この本、古本で2万5千円で売っているの? やばいな・・・。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  May 1, 2019 01:20:06 PM
コメント(0) | コメントを書く
[教授の読書日記] カテゴリの最新記事


Calendar

Headline News

Favorite Blog

郵便料金が値上がり… New! AZURE702さん

ひさしぶりの温泉 New! ゆりんいたりあさん

YAMAKOのアサ… YAMAKO(NAOKO)さん
まるとるっちのマル… まるとるっちさん
Professor Rokku の… Rokkuさん

Comments

ジェシカ@ Re[1]:オコナーの未完の小説(09/05) 釈迦楽さんへ ご返信ありがとうございま…
釈迦楽@ Re:オコナーの未完の小説(09/05) ジェシカさんへ  未完のものとして、『C…
釈迦楽@ Re[1]:恐ろしいほどの退歩(09/05) よびなみさんへ  あの奇想天外な数え方…
ジェシカ@ オコナーの未完の小説 すみません、話はずれるのですが、Jessica…
よびなみ@ Re:恐ろしいほどの退歩(09/05) 本題からは外れた感想になってしまいます…

Archives


© Rakuten Group, Inc.
X