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釈迦楽

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October 8, 2019
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カテゴリ:教授の読書日記
毎日エマソンの本を読んでいたらちょっと飽きてきたので、玉村豊男さんの『東欧・旅の雑学ノート 腹立ちてやがて哀しき社会主義』(中公文庫)という本を読んでしまいました。

 この本、昨年の今頃、出張で行った豊橋市のどこかのブックオフで108円で購入したまま放っておいたのを今頃読んだんですけど、開けてみたらサイン本だった。ラッキー!

これこれ!
 ↓

【中古】 東欧・旅の雑学ノート 腹立ちてやがて哀しき社会主義 中公文庫/玉村豊男(著者) 【中古】afb

 これ、元のハードカバー本は1985年に出た本で、玉村さんが33歳の時、ユーゴスラビア、ブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、チェコスロヴァキア、オーストリア、東ベルリンと、東欧諸国を40日あまりかけて旅してまわった時の旅日記なんですな。で、今からは30年以上前の話ということになりますが、その頃の東欧がどうだったのか、私も興味津々で読んでみたと。というのも、私自身、いつか東欧に行ってみたいという気が無くもないもんですからね。

 で、「私も行ってみたい」という期待を込めてこの本を読むと、結構、逆効果かも。
 
 というのは、やはり当時の社会主義国、ソビエト連邦の衛星国ってのは、酷いのよ。

 酷いというのは、外国からの旅行者にとって、それも気ままな一人旅の人間にとって、という意味ですが。

 とにかく、旅行者向けサービスの効率が極端に悪いし、サービス自体が存在しない。観光案内所でさんざん待たされた挙句、ホテルを取ろうとしても、電話もかけずに「空室なし」と言われて、取りつく島もないという感じ。ようやく見つけた安ホテルや民泊も酷いものばかり。タクシーはぼられる、両替もぼられる。もちろん、田舎ですから質朴な人も多いのでしょうが、そういう質朴さは、旅行者には向けられないわけですな。

 そして、何を買うにも行列。何時間も行列した揚句、目指すものが買えないとか、本当は別な場所に行かなくてはならなかったとか、そういう不愉快な経験ばかり。あと、行列がある反面、横入りの横行というのもあって、これがまた不愉快きわまりない。

 で、東欧諸国はどこも大体そんな感じではあるのですけれども、その中でもやはりお国柄というのがあって、ユーゴやチェコはまだ西欧的とかね。ルーマニアはやたらにラテン気質だとか。その代り、そのいい加減さゆえの不愉快なところもあったりして。へえ、そうなんだと、勉強になります。

 あと、玉村さんが一時、オーストリア入りして、西欧社会に戻ってきた時の解放感の記述も、東欧で苦労した話ばかりが続いた後では、爽やかな一陣の風のように感じられました。やっぱり資本主義、自由っては素晴らしい! たとえそれに付随する諸々があったとしてもね。

 あと、旅行者同士の会話にも面白いものがあって、例えばちょっと高い腕時計をしていた若者は、ポーランドを旅行中、夫婦者から声を掛けられ、その時計をくれるなら、妻を一晩貸そうと。妻もその気でいるから、と言われた、というのですな。で、その若者は、「ポーランドの女は全員娼婦だ!」と罵ったそうですが、ちょっとゲッソリしますよね・・・。

 その一方、ハンガリーで出会った地元の人の言葉によれば、今は社会主義国はしんどい思いをしているけれど、それも物資がまだ出揃わないからであって、それが出揃うようになれば絶対に素晴らしい場所になる、とのことで、社会主義国家の中に居る人の中にはそういう思いを抱いている人が居ることも確か。

 とかね。まあ、そんな感じで、苦労の多い旅日記なんですが、まあ、異界を旅するっていうのは元から苦労が多いのは分かっているわけで、玉村さん自身言っておられるように、帰国してしまえば旅中の嫌な思い出はみんな蒸発してしまって、印象に残ったことばかりだと。(むしろ、現地で嫌なことがあるたびに喧嘩していたことを反省しておられるほど)。

 ま、その頃から30年以上経ってはいますし、今やソ連すら存在しないわけですけれども、どうですかね、東欧は少しは旅行し易い場所になったんですかね。まあ、チェコくらいならアレですけど、ディープな東欧は、私には無理かな・・・。

 でも、とにかく読み物としては面白いものでした。居ながらにして、私も東欧を旅したような気になりましたからね。ということでこの本、教授のおすすめ!と言っておきましょう。


 ところで。

 ちょっと前に家の近くの古本屋さんで雨宮塔子さんの書かれた『パリごはんdeux』という本を108円でゲットしたことがありましてね。今、私の姪がパリに滞在しているもので、ひょっとしたら数年のうちに遊びに行くこともあるかなと。

 だけど。

 この雨宮さんの本はね・・・もう、想像を絶するくらいつまらないの。ほんと、ビックリするよ。

 だってさ、アナウンサーとして活躍していた人が、何を思ったか、パリに行くことを決意して、今は向こうで暮しているんでしょ? そういう、色々な意味で得難い経験談なんだから、面白くならないわけがないだろうと思うじゃない?

 だけど、これがまた信じられないほどつまらない本なの。

 さっき紹介した玉村さんの本の場合、旅ノートと言っているくらいだから、本来なら個人の覚書であって、他人が読んでも面白くないものにもなり得るわけよ。だけど、未知の国々、東欧社会主義ってどういうものなんだろう?という読者の興味に寄り添って話が展開していくので、玉村さんと一緒に未知の経験をしていくような面白さが十分にある。

 ところが、雨宮さんの本はさ、パリで日本から来た友達に会いました、とか、その人と話をして盛り上がりましたとか、有名なレストランで食べたけど、すごくお腹一杯になっちゃった、次はもう少し控えめに注文しなきゃ、とか、そんなことの羅列で、こちらとしてはどーでもいいことばっか。まったく興味が持てないことばかりなんですわ。友達でもない人から、その人の親戚の家に遊びに行った話を延々とされているような、「俺は一体、何を聞かされているんだ?」っていう感じに近いかも。

 マジで気絶しそうにつまらない。これほどつまらない本って、なかなかお目にかかることがないくらい。

 同じく外国での体験を書いても、玉村豊男さんと雨宮塔子さんでは、これほどの違いがあるのかと。やっぱり玉村さんはエッセイストとして一流、雨宮さんは、その点では何者でもない、評価ゼロっていう感じです。

 いやあ、しかしこれほどつまらない本が存在するとは。そのつまらなさの極端な度合いを楽しむためだけに、一読してもいいくらいかもね。


これこれ!
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【中古】 パリごはんduex /雨宮塔子【著】 【中古】afb





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Last updated  October 8, 2019 06:16:59 PM
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ケンケン@ Re:想像ふくらむ、理想のアメリカ短編小説集(06/26) 先生と同業の末席にいるものですが、 その…
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