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釈迦楽

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November 10, 2021
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カテゴリ:教授の映画談義
昨夜、『デューン』を観た後、なんとなくあれこれ考えていたんだけど、結局のところ、映画ってのは大概、「父の承認」を巡る物語なんじゃないか、っていう気がしてきた。別の言い方をすれば「父―息子関係」の物語っていうことなんだけど。

 父親から見たら息子というのは、「自分を越えた息子」か「自分を越えられなかった息子」か、そのどちらかしかないわけですよ、理論的に言って。

 ところが、父親というのは、普通、前者を認めない。だから世の父親にとって、息子というのは、良くて自分と同等、残りの大半は「自分ほどではない」のばっかり、ということになる。

 一方、息子というのは、父親の承認――それも、「お前は俺よりすごい」という承認――が欲しくてたまらない。

 だから、ほとんどすべての父―息子関係は、悲喜劇になるわけですな。だって、欲しいものが与えられないことの方が圧倒的に多いんだから。

 まあ、この中で一番幸福なのは、こういうパターンじゃない? 例えば創業者の息子が、銀座の老舗を引き継いで二代目になり、可もなく不可もなく経営が続いている状況。これだと、父親からすれば「息子も、店を創業した俺ほどではないが、まあ、とりあえず安心して任せることができる程度にはなったな」という、まずまずの承認を与えており、息子からすれば、店を任されたという時点で、父親の承認を得た、という実感があるだろうから。

 でも、このパターンは絶対的に少数派だし、全然面白く無いから映画にはならない。

 じゃ、こういうのはどう? 親父から仕事を任され、無事、それを引き継いでいるが、どうも自分は親父ほどの実力がないのではないか、と悩む息子。つまり、父親からの承認はあったが、自分ではその承認が信じられない、というパターン。

 はい、これを映画化すると『ゴッドファーザー』になります。

 あるいは、父親だってダメダメで、むしろ息子の方が優れている点が多いのだけど、どうしても親父が「お前は俺を越えた」って言ってくれないから、その承認を求めて無駄に悪あがきをする息子。

 はい、これを映画化すると『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』になります。

 「親父なんてダメな奴だ」と思っている息子が、自分を承認してくれない父親と仲たがいするんだけど、最後の最後になって、両者和解し、親父は息子を承認、息子はそれを受け入れるというパターン。

 はい、これを映画化すると『ビッグ・フィッシュ』になります。これはハッピーエンドね。

 こんな感じで、延々と続けることができるような気がする。つまり、父―息子の間の、(承認・非承認)/(受け入れ・拒絶)の組み合わせで、いくらでも映画ができるような気がする。

 『デューン』の場合、主人公が王家のプリンスだからね。親父を継ぐ者としてその資格があるかどうか、ということが問題になるわけだけど、肝心の親父が承認を与える前にあっさり死んじゃったから、プリンスとしては、死んだ父の承認を(別な形で)どうやって取りつけるかが問題になる。だから、きっと、そういう話になるんでしょう。


 ちなみに、私の父は、やっぱり最後まで私を「自分以上のもの」とは認めなかったですなあ。自分も大学教授だったから、私が教授になって「自分と同等のもの」になったとは思っただろうけれども。


 さて、そんなことを考えていたら、ふと、女性の場合はどうなんだろう、と、そんなことがふと思い浮かびまして。

 果たして娘は、母親からの承認を求めるものなのだろうか? 

 私の予想としては、母―娘関係には、そういう側面はないんじゃないかしら。

 でも、女性の中でもメンタルが男性的な女性の場合、そこに父親からの承認を求めるモーメントが生じるような気もする。

 そう考えると、例の「〇塚家具」の、「社長」と「家具屋姫」の間の争いが、俄然、面白い話題として浮かび上がってくるような気がするんだけど、如何?





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Last updated  November 10, 2021 04:34:57 PM
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ケンケン@ Re:想像ふくらむ、理想のアメリカ短編小説集(06/26) 先生と同業の末席にいるものですが、 その…
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