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カテゴリ:教授の読書日記
このところ私が激推ししている『14歳からの自己啓発本』という本ですが、この本を読まれた方から面白い感想をいただきました。
これこれ! ↓ 14歳からの自己啓発 [ 尾崎 俊介 ] その方がなんとおっしゃったかと言いますと、この本の冒頭部分が、かのF・S・フィッツジェラルドの傑作、『グレート・ギャッツビー』に似ているけれども、それは意図的なものか? と。 なるほど! 確かに『14歳からの自己啓発』という本は、冒頭、著者とその父親の会話から始まるのですが、『グレート・ギャッツビー』もそういう風になっている。 しかも、『グレート・ギャッツビー』で、語り手のニックは、中西部に三代続いた名家のおぼっちゃんなんですけど、そもそもこの小説は、その語り手のニックが、ギャッツビーという名のこの上なく下世話な金儲けの鬼に、どうしようもなく惹かれていく話なのね。 一方、『14歳からの自己啓発』という本において、この本の著者はもともと高踏的なアメリカ文学研究者なんだけど、ある時から急に、下世話で金儲けのための本である自己啓発本に、どうしようもなく惹かれていくわけ。 ほーら。なるほど! って感じでしょ? 『グレート・ギャッツビー』という小説と『14歳からの自己啓発』という本は、確かにかなり似ているところがある。 これは、おそらく、意図的なものだね! 多分、『14歳からの自己啓発』の著者は、最初から『グレート・ギャッツビー』のことを念頭に、あの冒頭のシーンを書いているな。絶対、そうだと思う。 やっぱり、読む人が読むと、何でもお見通しだってことですね。素晴らしい! ということで、興味のある方は、是非、『グレート・ギャッツビー』と『14歳からの自己啓発』の読み比べなんかしてみてはいかがでしょうか。 グレート・ギャツビー改版 (新潮文庫) [ フランシス・スコット・フィッツジェラルド ] 14歳からの自己啓発 [ 尾崎 俊介 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 23, 2023 01:00:06 PM
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