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カテゴリ:教授の読書日記
拙著は今のところ世間受けが極めてよく、書評が絶えることがない。今日、聞いたところでは、集英社の『すばる』の7月号で、翻訳家・エッセイストの村井理子さんが、連載(「湖畔のブッククラブ」)の中で書評を載せてくれていた。これに気づいた編集者からコピーを送っていただいたが、実際、素晴らしく気持ちのいい書評であった。村井理子さんに感謝、感謝である。ありがとうございました!
そして今日、もう一つ気が付いたのは、『綴葉(ていよう)』という書評誌に拙著に対する書評が載っていたということ。この書評誌は、以前にも別な拙著の書評を載せてくれたことがあるのだが、これまた嬉しい限り。 ところで、皆さんは『綴葉』という書評雑誌をご存じだろうか? これがなんと、京都大学の生協が編集して年10回出している独自の書評雑誌なのである。 おそらく、だが、おそらく、この雑誌を編集しているのは京大生協の会員の有志たち、すなわち京都大学の学生や院生だろう。それが、年10回というハイペースで、レベルの高い書評誌を40年間にわたって編集・出版し続けているのである。私はむしろその事実に驚く。 まあ、一言で言うならば、「それが京都大学」なのである。京都大学で学んでいる学生や院生だから、こういうことができるのだ。 残念だが、我が勤務先大学のここ最近10年ほどの学生たちの顔ぶれを思い浮かべると、彼らに『綴葉』のようなものを定期的に出し続けられるとはとても思えない。彼らはそもそも『綴葉』が書評している本の数々を、読むどころか手にとったことすらないだろう。うちの大学も、ひと昔前なら骨のある学生が相当数いたもので、彼らとならシェイクスピア作品を原文で輪読できたものだが、今は見るかげもない。 今では私のゼミ生ですら、私の本は読んだことがないだろうが、京都大学の学生・院生はそれを読んで高く評価してくれる。そのことに、複雑な思いを抱きつつ、感謝せざるをえない。 京都大学生協『綴葉』のレベルを見よ! ↓ 『綴葉』(428号) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 10, 2024 11:06:49 PM
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