The・通信兵
いつものように仕事していた金曜日。 昼下がり、長い揺れに見舞われた。 これは遠くでかなりでかいのが来たぞ…すぐにそこまではわかった。 それが、大津波で未曾有の大惨事をもたらした「東日本大震災」に発展したことは、あとになってわかった。 しばらくして、東京からメールが飛んできた。 「怖かったよ~」 どうやら、たまたま仕事を休んでいて帰宅難民にもならなかったらしい。 これを人は塞翁が馬というのかもしれない。 定時後から通信兵状態。方々に連絡して安否情報をとりまとめ、家族親類に同報メール。 仙台に住む兄への電話は、珍しく一発でつながった。 ライフラインが全部止まったけど、さほどの被害はなかった様子。 母方の身内も、家の塗り壁がはがれたり灯油タンクがずれたり給湯器が故障したりはあったものの、基本的に無事だった様子。 しかし…母方の伯父母が新宿で帰宅難民。 携帯電話はかなり発着信制限を食らっていたが、家の光電話といつものSkypeは普通につながった。これがIP網の強さか。 Skypeでテレビ電話つなぎながらも、光電話で各地の身内と連絡…どっちもスピーカーホンなので、部屋で実況生中継。通信兵か自分。 震災の話になって、伯父母の状況を伝えたら、「メトロが動き出したから、まださまよってるならうちにおいでよ」と言ってくれた。 幸い、都立高校に避難できて、乾パンと毛布、充電をゲットできたらしいけど…こういう時、情報の早さと肝の据わり方は本当に頼もしい。