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カテゴリ:JCS専門医試験
虚血性心疾患について正しいのはどれか
1. 右室梗塞に再灌流療法は有効でない 2. 非ST上昇型急性心筋梗塞に血栓溶解療法は推奨されない 3. 急性冠症候群は冠動脈高度狭窄病変を原因として発症する 4. Braunwald分類II型は48時間以内に発作を有する安静狭心症である 5. 発症2時間後において血中トロポニンTが陰性であれば、急性心筋梗塞は否定される (解説) 再灌流療法は、右室梗塞に対しても有効であり、早期に再灌流が施行することで梗塞域を減少させる効果が高く、晩期再灌流例でも非再灌流例に比べて右室機能の回復が早く、予後改善傾向が示されている。 ST上昇型心筋梗塞では、PCI、血栓溶解療法がともに有効であるのに対し、非ST上昇型心筋梗塞では、血栓溶解療法の有効性は否定的である。 急性冠症候群は不安定狭心症、急性心筋梗塞、虚血性心臓突然死を併せた概念で、冠動脈のプラーク破綻に伴う血栓により冠動脈内腔の狭窄、閉塞することによって生じる。狭窄度は75%未満が7~8割を占める。 不安定狭心症に対するBraunwald分類は、発作の頻度、臨床像、治療状況を基にした重症度分類で、以下のように定義される。 Class I:新規発症の重症または増悪型狭心症 ・最近2ヶ月以内に発症した狭心症 ・1日に3回以上発作が頻発するか、軽労作にても発作が起きる増悪型狭心症。 安静狭心症は認めない。 Class II:亜急性安静狭心症 ・最近1ヶ月以内に1回以上の安静狭心症があるが、48時間以内に発作を認めない。 Class III:急性安静狭心症 ・48時間以内に1回以上の安静時発作を認める。 臨床状況 ClassA:二次性不安定狭心症(貧血、発熱、低血圧、頻脈などの心外因子により出現) ClassB:一次性不安定狭心症(classAに示すような心外因子のないもの) ClassC:梗塞後不安定狭心症(心筋梗塞発症後2週間以内の不安定狭心症) 治療状況 1)未治療もしくは最小限の狭心症治療中 2)一般的な安定狭心症の治療中(通常量のβ遮断薬、長時間持続硝酸薬、Ca拮抗薬) 3)ニトログリセリン静注を含む最大限の抗狭心症薬による治療中 急性心筋梗塞の診断には血中に遊出した心筋細胞内分子を測定することにより、心筋細胞傷害を証明する必要がある。発症早期にはCKなどの細胞成分が遊出するが、虚血が高度で長時間に及ぶとトロポニンやミオシン軽鎖などの筋原線維の構成成分が遊出する。血中トロポニンTは特異性の高いマーカーであるが、心筋梗塞発症早期における感度は低く、発症3~4時間以内では陰性となりやすい。 正解2 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
April 23, 2011 01:46:54 AM
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