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テーマ:最近観た映画。(40092)
カテゴリ:映画を観たよ
脚本家・三谷幸喜の映画作品を観た。
○ストーリー 放送作家の飯島は,家を建てるために土地を購入する。妻の民子の提案で,彼女の美大時代の友人でインテリアデザイナーの柳沢に設計を依頼することにしようとするが,彼は建築士の資格を持っていないので法的な設計申請者になれないことが分かる。そこで施工を担当する予定の,民子の父で大工の棟梁である長一郎とその仲間が申請も行うことになる。アメリカ風の手作り住宅を目指す柳沢と,しっかりした日本の家を建てたい長一郎は,ことごとく対立をする。飯島と民子はなんとか2人が折り合ってくれるように務めるが,ついに事件が起きてしまう・・・ ------------ インテリアデザイナーと大工の棟梁の対立に悩む主人公,というシチュエーションを聞いただけで,もう笑いどころや主人公のつらさが分かってしまう。コメディや舞台作品は,ひじょうに特殊な状況や人々を描いて,そこから生まれる緊張感を楽しませるという趣向が多いが,この作品はアメリカかぶれの若者と日本のしきたりを守ろうとする老人の対立というありふれた設定だ。 シチュエーション・コメディの連続ドラマにさえなりそうなベタな展開で,面白いけどヒネリは無いよなあ,と思って観ていると足をすくわれる。デザイナー・柳沢と棟梁・長一郎の反目が,あるきっかけで収まり,けれどもまたイガミ合い,という繰り返しを通じて,仕事を分かっていないと思われていた柳沢が古い手作りにこだわっていて,仕事をきちんとまとめているはずの長一郎が効率化に流されている部分があった,ということが見えてくる瞬間がある。 その中で,一喜一憂して,2人の和解にどこか疎外感を感じてしまう主人公の存在がまたいい。単純に2人の和解だけで終わればキレイなんだけど,プロの世界に入り込めない主人公の小市民的な寂しさを描くところが日本人だなあ。 出来上がった家は,お世辞にもいいものとは思えないけど,映画としては小粒でいいものだった。 ------------ 主人公の飯島夫妻を演じるのは,「ココリコの」という肩書きも不要になった田中直樹と,アナウンサーの八木亜希子。この2人はまあいい夫婦だ。 飯島民子の父親で大工の棟梁の長一郎を演じるのは田中邦衛,民子の同窓生でデザイナーの柳沢を演じるのは唐沢寿明。キャスティングぴったりだ。 風水に凝っている飯島の母親(野際陽子)だったり,家を建てることに嫉妬して茶々を入れる民子の義兄(山寺宏一)だったり,という邪魔は入るけど,家はフツーの大人しいものが建ったみたいだ。 もうちょっと老人たちそれぞれが活躍の場を与えられると,もっと良かったと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.05.25 13:35:51
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