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なすび0901@ Re:「我が家のヒミツ」奥田英朗を読んだ(06/18) 好きな作家の一人 図書館で借りないでア…
2016.06.18
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「家日和」「我が家の問題」に続く,奥田英朗の家庭をテーマにした短編集を読んだ。

○ストーリー
アンナが12才になったとき,実の父親が別にいることを両親から教わった。16才になったアンナは,母親に頼み,その実の父に会いに行くことにする。出会ってみた実父は著名な演出家で,アンナと友人たちは勝手に盛り上がる。アンナは1年間海外留学をしたいのだが,スーパーの雇われ店長の育ての父には,そんなお金はない。そこでアンナは???

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最初に「家日和」を読んだ時は,奥田英朗が堕落をしたような印象を勝手に持ったものだ。けれども今となれば,誰にとっても身近な世界を活き活きと描き,事件とも呼べそうも無い小さなきっかけを通じての夫婦,親子の絆の再確認を小説にする,ということが,とても繊細で難しいことが分かる。

今ではこのシリーズが一番安心して読むことが出来る。奥田英朗,ごめんなさい。

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巻末には恒例の〈N木賞作家・大塚康夫〉を主人公にした短編が収録されている。この中で,「かつて人気だったシリーズの再開を打診されたが断ったら冷たくされた」「事件に巻き込まれておかしくなっていく人々を描いた作品が不人気だった」といったことが語られていた。

これは〈伊良部シリーズ〉や,「ナオミとカナコ」か「無理」のことか,など,いろいろ想像してしまったけれど,かつてほど人気が無くなってしまって気落ちしている様子がうかがえた。

僕の区の図書館では大人気で,予約待ちの人数は500人を超えたりする,と教えてあげたい!本当の応援は本を買うことなんだろうけどね。

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各編について簡単に感想を述べる。
「虫歯とピアニスト」:子供ができないため時間を持て余した敦美は,近所の歯科医院で受付のアルバイトをしている。そこに以前からファンだったピアニストの大西が患者として現れ,敦美は大西の日常のちょと間抜けなプライベートな部分を知ることに喜ぶ。姑から不妊治療を勧められそうになっていた敦美は,落ち込んでいたのだが・・・生活も安定していて何も不足はないのだけれど子供ができない。どうしても妊娠と出産を意識してしまう普通の妻の日常がさらりと描かれている。ここにかつて「尖って」いたけれど,今では無色透明な演奏をするピアニストが現れ。けれども昼ドラ的な展開は無く,温かい短編に仕上がっている。

「正雄の秋」:メーカーの営業部長の正雄は,営業局長のポストを同期で競争相手の河島に取られてしまった。50才を超え,それなりの役職にいたため,正雄は総務部部長か子会社の専務への異動を決断するように内示される。頭では理解しても,心では納得出来ていないため,河島と一言も口をきかないまま有給休暇に入り,妻と四国旅行をしている彼のもとに,ある連絡を入る・・・さすがに50才で挨拶もしないのは偏屈過ぎる(笑)。これじゃあサラリーマンとして上手く行かないよ,と自分のことを棚に上げて思ってしまった。けれども,最後は肩のチカラが抜けたようになって良かった。

「アンナの十二月」:16才になったアンナは,母親に頼み,顔も知らない実の父と連絡を取り,会いに行くことにする。実父は著名な演出家で,稽古場ではテレビで観るような俳優たちを指導しており,代官山のマンションで1人暮らしをしていた。アンナは舞い上がり,スーパーの雇われ店長の育ての父と比較をしてしまう。そしてついに・・・アンナの親友2人は最初は一緒になって喜ぶだけだが,本人より先に冷静になっていさめる立場になってくれる。まっとうな子供たちで安心した。アンナはかなりのおバカなので,この2人の友人は今後も必要なんじゃないかと思った。

「手紙に乗せて」:亨の母は脳溢血で急死してしまった。それ以来,がっくりと気落ちをしてしまった父が心配で,亨は近くのマンションを引き払い,父・亨・妹の3人で暮らしている。亨は広告代理店の若手社員だが,同期や若い先輩は,あっと言う間に母の訃報のことを忘れ,上司や部長職の人ほど気遣ってくれるのだった。ある上司に父の状況を説明したところ,その人は父宛てに封書を書いて手渡してきた。それを読んだ父は・・・うーん,深い短編だ。いろいろ考えるし,いろいろ反省させられる。亨の一家は,一足先に成長出来たから良かったじゃない。

「妊婦と隣人」:産休中のため,日中はマンションで1人きりの葉子は,隣に越して来た夫婦のことが気になって仕方が無い。壁に耳をあてて音を聞き,1階の集合郵便受けを監視し,管理人とも噂をし,ついに○○に○○してしまう。とうとう夫に叱られてしまう葉子だったが,さらに・・・これはいくらなんでもやり過ぎだろう。妊娠中で精神的におかしい人の短編じゃないのか?

「妻と選挙」:N木賞作家の大塚康夫は,自分の中では終わっているかつての人気シリーズの再開を打診され,断ると編集者が冷たい態度を取るようになった。出版業界の不況と自分の人気の凋落を感じた康夫だが,妻・里美が市議会議員に立候補をすると聞き驚いてしまう。だが落ち込んでいる自分と異なり,活き活きとする彼女を見て,その後押しをする気持ちになる。だが公示から本格的な選挙活動が始まると・・・「家日和」の短編「妻と玄米御飯」,「我が家の問題」の短編「妻とマラソン」に続き,N木賞作家・大塚康夫のミニシリーズ第3編だ。これまでは奥田英朗の実録小説かと思っていたけれど,さすがに今回はあるあるじゃ済まされない内容になってきた。さりげなく妻のことを「美人」だとほめたり,選挙がきっかけで息子たちと一緒になって久々に盛り上がったりと,ほほえましいのは毎回のこと。それにしても冒頭の部分は本当なんだろうか?心配だ。







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Last updated  2016.06.19 14:43:30
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Re:「我が家のヒミツ」奥田英朗を読んだ(06/18)   なすび0901 さん
好きな作家の一人 図書館で借りないでアマで買ってる
よ。

(2016.06.20 09:28:30)

Re:「我が家のヒミツ」奥田英朗を読んだ(06/18)   りぶらり さん
なすびさん,お久しぶりです。僕が本を買うのは伊坂幸太郎かなあ?

日記見ていますけれど,交換日記風なので,コメントしづらいです。こちらに書いてくれて助かります。ありがとう。 (2016.06.20 20:23:17)


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