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カテゴリ:映画を観たよ
ほぼ3時間というタランティーノ監督の西部劇映画を観た。
○ストーリー アメリカの黒人奴隷ジャンゴは,妻のヒルダと逃亡を図り,2人とも捕まってしまう。バラバラに売却され,新しい土地へと連れられていく彼を賞金稼ぎのドイツ人・シュルツが買い取る。自由の身となりシュルツの相棒として成長したジャンゴは,妻ヒルダを取り返す計画を立てる。2人は奴隷商人を装い,彼女の所有者である南部の大農園主・カルヴィン・キャンディに近付き,架空の取引を持ちかける。キャンディ農園に乗り込み,ヒルダと再会を果たすことの出来た2人だが,黒人の執事スティーブンに正体を見破られてしまう。農場中の男から命を狙われた2人はついに・・・ ----------- タランティーノ監督らしいB級映画へのオマージュに満ちた映画だ。アメリカ人にとっては”時代劇”である西部劇は,数々の名作を残しつつも,今ではすっかりと廃れてしまっている。その中でも”マカロニ・ウェスタン”と呼ばれるB級西部劇のフォーマットを取りつつ,西部劇で意図的に避けられてきた黒人奴隷問題を正面に据えて,一大娯楽映画に仕上げている。 初めに述べておくべきだと思うが,この監督の作品なので暴力シーンはかなり過激だ。人も馬も撃たれて血が飛び散る,死ぬまでの殴り合いがある,犬に襲われる人がいる,鞭打たれる女性がいる---例によって大量に人が死ぬ。 タランティーノ監督と暴力はほとんどセットになっている印象なので,いまさらここで抵抗を感じてしまう人はいないと思うけど,僕でさえ,「うっ,またかよ」と思う暴力シーンは,なかなかパンチがある。 ----------- 一方でこの監督のもう1つの特徴であるスタイリッシュさも間違いなく健在だ。時代考証はあえて無視をして,カッコ良さが優先されている。 賞金稼ぎのドイツ人・シュルツは,『イングロリアス・バスターズ』のランダ大佐で有名になったクリストフ・ヴァルツが演じている。上品な伊達者で,黒人奴隷も差別せず人間として扱う,という魅力的なキャラクターとなっている。 主人公の奴隷出身の賞金稼ぎジャンゴは,渋い黒人俳優ジェイミー・フォックスが演じている。メガネがないと落ち着かないと思っていたら,テンガロンハットに黒い丸メガネをする。ロックだ。 ラスボスのカルヴィン氏は,レオナルド・ディカプリオが演じている。大勢のならず者,そして黒人使用人を従え,大農場の王として君臨している。ヨーロッパ文化に憧れ,大豪邸に住み,貴族のように振る舞い,それでも恐ろしく抜け目のない敵。 物語の中だけでなく,俳優と俳優の演技のバトルが繰り広げられている。 ----------- 様々な場面で流れる歌も古い雰囲気が満載で楽しい。「あー,昔の映画ってこうだったよね」と思い出す。西部劇とか昔のアクション映画のように,理屈抜きに楽しめる映画になっていた。暴走し過ぎて殺伐としてしまった『イングロリアス・バスターズ』よりもはるかに楽しめた。 ----------- タランティーノ監督自身も出演して,嬉しそうに小悪党を演じている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.12.14 16:35:02
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