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2015.03.05
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現代の大学生の日常生活を描いた朝井リョウの連作短編集を読んだ。

○ストーリー
梢は双子だが,妹の椿だけが大学生読者モデルとして有名になっている。自分と妹の境遇を比べて悩んだ彼女は,妹が出演するはずだった大学サークルの映画の撮影に出向く。誰も2人の差を気付くはずはなかったのに,監督役の大学生だけは入れ替えを見抜いてしまい???

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「桐島、部活やめるってよ」で高校生活を描いた朝井リョウが,大学生活を描く。やはりその世代の若者ならでの気付きがあり,時々その切り口の鮮やかさに驚かされる。

「桐島」と同様に,連続短編集の体裁を取って,若者の群像を描いている。だが,残念ながら読後感ははるかに及ばない。スクールカーストを描き出し,それからの逸脱を描いた「桐島」なのに,今回の作品はむしろ一元的な”リア充”礼賛で終わっている印象なのが良くない。

後半で”リア充”ではない主人公が描かれるのだが,主人公自身も作者もその生き方を否定しているような描写だ。結局,大学生でクラスでもサークルでも中心となる華やかなキャラが正解なのか?と思わされてしまう。

朝井リョウの成長の過程を示した記録だと思っている。

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各編について簡単に感想を述べる。

「ひーちゃんは線香花火」:仲良しの汐梨,ひかる,風人は,汐梨の下宿でよく集まる女性2人男性1人の仲良しだ。だが3人が泊まった夜,汐梨にどちらかがキスをしたことで,3人のバランスは微妙にずれ始める。・・・大学生になり東京に出てきて1人暮らしを始めた,という若者の揺れ動く気持ちをうまく表現していると思った。けれども,都会に出てきた3人が,寂しさを紛らわすために,友情とも恋愛感情ともつかない関係を結ぶ,というのは分かるのだけれど,それがずっと続くのはさすがにリアリティがないと思う。

「燃えるスカートのあの子」:翔多は,大学のクラスで1泊旅行に行く。彼が狙っているのは,読者モデルをしている華やかな椿だ。翔多のバイト先のコンビニには,たまたま椿と高校時代の友人のハルがおり,いろいろとアドバイスを受けるのだが・・・読者モデルの女性にアタックをする翔多の勇気に感心する。どうせこいつも自信家なんだろうな,とか思ってしまって,あまり同情を覚えない。朝井リョウの作品って,「でも作者のオレはリア充だよ」って匂いがあって,なんか戸惑う。

「僕は魔法が使えない」:美大の新は,事故で1年前に父を喪った。新しい男性と付き合い始めた母親に反感を覚える新は,原宿でモデルとなってもらえるように女性に声をかける。だがその女性とは?・・・主人公・新が譲歩して,母親とつき合っている男性に心を開く,というところで終わるけれど,中高生ならともかく,大学生で新しい父親と関係築くって必要なのかな?母親も早々に新しい男性とつき合うし,いろいろどうなの?と思ってしまう。でもこの主人公は頑張っているので好き。

「もういちど生まれる」:梢は2浪して予備校に通っている。彼女には読者モデルをしている評判の双子の妹・椿がいて,椿は推薦で有名大学に入学し通っている。閉塞感にとらわれた梢は,椿になりすまして彼女の撮影現場に出かけるのだが?・・・偏見を怖れずに言えば,医大を目指しているのでない限り,女性で2浪って問題だろう。主人公・梢の双子の妹・椿へのコンプレックスは,重症過ぎる。単行本タイトルの短編であり,当時の表紙はこの中の重要なシーンから出ていた。文庫版でなぜ変えたかな?

「破りたかったもののすべて」:ハルは高校時代からダンスで注目され,プロを目指して専門学校に通っている。彼女の兄・新も美大に進んでいて,芸術家兄妹として高校では有名だった。だが幼少から基礎を学んだライバルたちとの差に,ハルは打ちのめされる。・・・うわー,これをラストにもってくる?ヘビーなりに前の短編は一歩抜けて終わったので,そちらをもってきてもらいたかったなあ。主人公・ハルは自意識でがんじがらめになっていて,人生を徹底的に損している気がする。






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Last updated  2015.03.07 19:04:57
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