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テーマ:最近観た映画。(40090)
カテゴリ:映画を観たよ
パズルのように頭を使う作品を観たくて,このSF映画を観た。
○ストーリー ニューヨークのバーで,若い男がバーテンダーにホラ話を聞かせる。孤児院で育った少女がある政府組織の訓練生として抜擢されるが,暴力沙汰で身分を失う。働きつつ学校に通い始めたが,流れ者の男と恋に落ち妊娠したことで,それもダメになる。娘を出産するが,出血が多く死線をさまよい,命を救うために医者に男性にされる。そしてそれは自分だ,と。 途方もない話を聞いたバーテンダーは,逆に青年に尋ねる。もし過去に戻れるならば,いつに戻り,何をするのか?彼が答え,そして行ったこととは? 前代未聞のSF物語が始まる。 ------------ タイムトラベル物というのはSFでも人気のジャンルで多くの小説や映画が製作されている。「あの時代に行けたら」「あの時,ああしていれば」という誰もが空想することが実現されるし,語り口を工夫すればミステリーにも,恋愛小説にも仕上げられるという柔軟性がある。さらに大掛かりな特撮を用いなくても製作できるというメリットもあるだろう。 ------------ この作品は”時空へ逃げても追い詰める”というコピーが付いていたので,タイムトラベルかつアクションだと思っていた。実際,冒頭のシーンは,爆弾魔を阻止しようとして身を挺して戦う主人公の姿だ。 ところが怪我から快復した主人公が就いたのはバーテンダーの仕事だった。そして訪れた若い男と長い長い会話を始める。一体全体ストーリーはどこへ行ってしまうんだろう?もう,完全にぽかーん???だった。 けれどもずーっとそれに付き合っていると,2人の男の会話が,単なる飲み屋のホラ話ではなく,作品のテーマを関わる物語であることが分かり始める。それが分かった瞬間の衝撃は,なかなか気持ちが良かった。これぞSFの醍醐味,という感じ。 ------------ 物語のコアは,バーでのホラ話なのだと思う。その部分はひじょうに良く出来ていて,いかにも外国の短編小説のようだ。また普通の会話のようで,あちこちに伏線が隠されていて,あとあとニヤリとさせられる。実にお洒落だ。 映画のオリジナルは,連続爆弾魔と,それを阻止しようとする主人公の任務という部分らしい。確かにこうしたアクション要素がないと,映画としては盛り上がりに欠ける。さらに物語としてもあまりにも閉鎖的過ぎるだろう。 とは言え,ここにも皮肉な結末が待っている。それもきちんと伏線が張ってあるから驚きだ。究極の1人称映画だろう。 ------------ ネタバレを避けるために,この感想文を読んでも,なかなか何を言いたいのか分からないと思う。 でもSF好き,パズル好きならば,この映画を観て後悔することはないと思う。時代性を出すためにややキッチュな画面もあるのだけれど,全体的にはひじょうに丁寧にお洒落に製作してある。 気にせず手にしたけれど,大ヒットだった。オススメだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.09.21 17:49:11
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