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2016.11.04
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カテゴリ:映画を観たよ
人工知能との恋愛という近未来SF恋愛ドラマを観た。

○ストーリー
手紙の代筆業というものが一般的になっている近未来のロスで,セオドアは情感のこもった代筆をすることで会社では評価されていた。だがプライベートでは,別居した妻との離婚届に署名をするのも出来ず,新しい出会いにも踏み込めないでいた。そんな孤独を埋めるように,セオドアは人工知能OSを購入する。このOSはサマンサと名乗り,PCとスマホを介して,彼の仕事と日常をアシストし,会話相手にもなる。セオドアはイヤホンとスマホのカメラを用いて,1日中サマンサと一緒に行動し,話し合い,せっかく出会った女性にも振られてしまう。サマンサとの恋愛で生活が充実してきたセオドアだったが,ある日・・・

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主演のホアキン・フェニックスが正面を向いていて,シャツと背景が赤のグラデーションというインパクトのあるポスターの映画だ。動画配信サイトでは,けっこうマイナーなシーンが静止画になっているので,観た後にネットで調べていて,「あー,あの映画だったのか」と知った。

近未来のロサンゼルスは,あまりSFしていなくて,ファッションも建物の内装も1970年代風で落ち着いている。内装は木質系がメインだが,所々にポスターと同じピンク色っぽい赤を用いている。ひょっとして『アメリ』のジャン・ピエール・ジュネ監督を意識しているのだろうか?

人工知能OS以外はレトロな雰囲気というのは,作品全体の流れとマッチしていて良かったと思う。

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さてスマホの中に住んでいる人工知能とずっと会話し,海岸をぶつぶつ言いながら歩き,人ごみで1人でダンスを踊ってしまう,ってはたから見ればかなり異常だ。けれどもセオドアの友人・エイミーも同じように人工知能を恋人にしているし,上司も理解があったので,作品世界では〈歩き人工知能〉が認知されている世界なのだろう。

セオドアの人工知能との恋愛については,こうした認める人と,一方で気持ちが悪いと忌避する人を両方出しており,セオドアの揺れ動く気持ちを上手く表現していたと思う。

こうした相手が人工知能という点さえ,うまく観客に認めさせれば,映画としての完成度は高いと思う。恋愛映画を観ないので,ちょっと自信が無いけれど。

セオドアはサマンサと出会い,周りの人の理解や反対を聞きながら,サマンサと恋愛に落ちる。順調に思えた毎日だが,サマンサは○○をして・・・という展開は,相手が生身の女性であっても実際によく起きる展開だ。

ラストシーンの2人が突然恋人になるとも思えない。幸せだった日々を胸に孤独に生きろ,というメッセージなのだろう。大人の世界だ。

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ホアキン・フェニックスは,本来はけっこうワイルドな人物らしいが,いい感じの脱力感を出していて,セオドアは良い人に見える。

恋愛をしているためか,良いころの思い出のためか,映像は絶妙な照明でひじょうに美しい。

ついでに言えば,元妻を演じるルーニー・マーラ(『ソーシャル・ネットワーク』),デート相手を演じるオリヴィア・ワイルド(『ラッシュ/プライドと友情』),サマンサが紹介した相手を演じるポーシャ・ダブルデイ,みんな美人だ。

こんな美人たちに囲まれてもセオドアはサマンサが好き。筋金入りだ。

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サマンサに夢中のセオドアを批判するのは簡単だけれど,スマホの画面に釘付けとなっている街中の日本人を見ると,これってもう現実の物語だという気がする。

けっこう大人の場面があったけど,そこまで必要だったかな?

いろいろ考えさせられて面白かった。













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Last updated  2016.11.05 08:07:26
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