2363898 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

りぶらりだいあり

りぶらりだいあり

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

りぶらり

りぶらり

Category

Freepage List

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

How Japan's younges… New! 恵子421さん

ぬる燗 熱燗 New! なすび0901さん

読書とジャンプ むらきかずはさん
片手に吊革・片手に… もりのゆきさん
From おおさか mayu0208さん

Calendar

Comments

おきま@ Re:「PRIDE 池袋ウェストゲートパークX」石田衣良を読んだ(07/30) 約32年前に池袋のウェイターに騙されて風…
深青6205@ Re:「恩讐の鎮魂曲」中山七里を読んだ(08/16) こんにちは。御子柴シリーズはお気に入り…
りぶらり@ Re:「我が家のヒミツ」奥田英朗を読んだ(06/18) なすびさん,お久しぶりです。僕が本を買…
なすび0901@ Re:「我が家のヒミツ」奥田英朗を読んだ(06/18) 好きな作家の一人 図書館で借りないでア…
2016.12.15
XML
カテゴリ:びしびし本格推理
三軒茶屋のバーを舞台にした北森鴻の〈香菜里屋シリーズ〉の第2作を読んだ。

○ストーリー
埼玉県新座署の神崎守衛は,調査対象の女性が毎年春先に,緑色の桜〈御衣黄〉の下で数日を過ごすことを知る。彼女にはなぜこの習慣があるのか?そしてこの女性と一度だけ関係を持ってしまったことを,どうして病死した妻が知っていたのか?全ての謎は,あるバーを訪ねたことで明らかになった?

------------

地味だけれど,提供される料理がとにかく美味しそうなビアバーを舞台にしたミステリーだ。でもさすがに,ちょっとビアバーとしては料理が主張し過ぎていると思う。1人で調理しているとしたら,バーテンダーをしている時間もないと思うしなあ。

そこでは日常のミステリー好きな常連と,運命に導かれて訪れた人々が,ぽつりぽつりと体験や聞いた話を語り合う。マスターの工藤がそっと示唆する真相は,時に優しく,時に残酷に,人間の心の奥を解き明かしてくれる。

お酒と料理と人間心理,正に大人向けのミステリーだ。

------------

毎回舞台は三軒茶屋の裏手にある〈香菜里屋〉だが,語り手が伝える物語は,そこから遠く離れた土地までも届く。前作第1巻でも山口県が舞台の短編があったが,今回は岩手県花巻市が登場し,なんと最後にはマスター・工藤がそこまで出向くという珍しいパターンも見える。

常連客は第1巻からの人々が顔を見せるが,基本的に脇役として時たま会話に入ってくるだけだ。別のシリーズからのゲスト出演も無かったので,この作品だけを読んでも問題ないと思う。

------------

〈香菜里屋〉がある設定の三軒茶屋の隣にある池尻大橋に〈バー香月〉があり,そのマスター香月圭吾は,工藤の旧友らしい。謎の人物の過去が,これから徐々に明かされるのだろうか?

------------

各編について簡単に感想を述べる。

「十五周年」:タクシー運転手の日浦は,故郷・花巻の幼馴染を客として乗せる。それがきっかけで彼女の母親が営む小料理屋の15周年パーティーに出席するために5年ぶりに帰郷する。そしてそこで別の料理店で起きたボヤの真相が,洋画の盗難事件ではないかという噂を聞きつける。それを東京に戻って語ると?・・・ここまでするか?という大がかりな計画に驚く。短編では表現されていないが,よほどの理由があったのだろう(たぶん)。

「桜宵」:1年前に病死した妻が残した手紙を頼りに,埼玉県新座署の神崎守衛は,三軒茶屋のバーにたどり着く。そこで出された緑色の〈桜飯〉を見て,彼は妻が全てを知っていたことに気付く。かつて彼は,〈御衣黄〉という緑色の桜の咲く場所で,調査対象の女性と逢引をしていたのだった。そして・・・語りの妻の驚異的な調査能力に脱帽だ。いくら刑事の妻とは言え,非現実的だろう。過去のエピソードがどんどんと広がって少し飽きた。

「犬のお告げ」:同棲している修と美野里だったが,修の会社では強引な人員削減が進みつつあった。さらにそのリストラの対象者は,人事部長宅で開催されるパーティーで,飼い犬に咬まれた者が選ばれる,という噂があった。そしてついに修がパーティーへと招待されてしまった。果たして・・・珍しくややコミカルな流れで新鮮だった。カラクリは予想以上に分かりやすかったが,その先にまだ謎があった。納得行かなかったけれど。

「旅人の真実」:「金色のカクテル」を注文した男は,工藤の友人のバーを紹介され,捨てゼリフを残して去っていく。そこに居合わせた飯島七緒は,この男が銀座のバーでも同じことをしていたことを思いだす。そして工藤の友人・香月の店〈プロフェッショナル・バー香月〉でも同じようにとげとげしいセリフを述べていたことを聞き,工藤に相談をする。どうやら男の恋人がバーテンダーで,カクテルの大会に出場する彼女のために「究極の金色カクテル」を探し歩いていたらしいのだ。だがその真相は?・・・美談と思わせて実は・・,というパターンだが,物語の流れが周到なのでついミスリードされてしまう。

「約束」:店の給排水設備の大がかりな修理が発生し,工藤は10日間の休みを取り,花巻で小料理屋の主人となっている日浦のもとを訪ねる。大繁盛をしている店を,いつの間にか工藤が手伝い始め,すっかりと突然の名料理人となっていた。そこにベストセラー作家・土方洋一と香坂有希恵が来店する。彼らは10年前にここでの再会を約束していたのだった。かつての恋人たちの会話に突然工藤が入ってきた。それは?・・・前の短編と同様に”実は・・”のパターンだ。だがさすがに前の短編よりは分かりやすかった。










お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2016.12.17 18:11:58
コメント(0) | コメントを書く
[びしびし本格推理] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X