カブトムシ

水野家。
「陽介さん、正巳を湯布院に帰ってこれないように勘当するけん。
ハルカの前に姿を現さんことを、慰謝料も払います。勘弁してください」（宗吉）

ハルカの部屋。
ハルカが正巳の手紙を見ています。ちいさん凸。
「正巳を忘れたいんよ。それやのに、思い出したらもう」（ハルカ）
「無理することないやない。ゆっくりしたいい」（ちい）
ちいさんがハルカをよしよし。
「おじちゃんにもおばちゃんにも心配かけた」
「また他人んこと心配しち。自分のことだけ考えり。自分を大事にせんと」

水野家、居間。
ハルカと陽介さんが夕食。
「お父さん、レストランはいい夢だと思う」
「どうしたの突然」
「お腹すいたもん。辛くても悲しくてもお腹すいた。お母さんが
お雑炊作ってくれた。お雑炊といちごを食べたら少し元気でた。
食べるって大事なことやって思ったよ」

倉田旅館。
宗吉さんと百江さんが帰宅。
宗吉さんが正巳の部屋でため息。

１週間後、観光事務所。
地元のおばちゃん３人凸。
婚約破棄のことでごちゃごちゃ言われるハルカ。
「水野さん、お電話です」（村崎）
「水野です」
「もしもし、こんにちは」（村崎）
「ありがとうございます」
「仕事のじゃまやったもんで」
「こんにちは」（文珍）
「水野ちゃんや～」（たこばあば店主）

同時にコーヒー飲む文珍＆店主。
「こないだ大阪では・・・」（ハルカ）
「神崎さんに聞いた」（文珍）
「恥ずかしい」（ハルカ）
「そやけどな、あんなアホナスビ結婚して苦労するよりもはよ縁が
切れてよかったんや。水野ちゃんにはもったいない」（店主）
「ガオォ～～～～！（号泣)」（ハルカ）
「え？私？私のせいか？」
「いつになったら忘れられるんやろ」

夜、水野家。
村崎さん凸。
「ちょっと、よろしいでしょうか？早速ですが、ここに倉田正巳さんの悪い
ところ３つ書いて下さい。で、書き終わったら燃やして下さい」（村崎）
「書きたくありません。何これ？」（ハルカ）
「やじろべえです。右側に付加をかけるとこけます。左側に・・・。
バランスが大事なんです。恋が終わる原因は両方にあります」
「私の問題ですから。大丈夫ですから」
「そうですか、私は死のうとしたけん。８年前、婚約者に逃げられたとき。
私も自分を責めました。私に魅力がないけん。結局、死ぬこともできんで。
『なぜ恋が終わったか』って作文書いたんよ。そしたら、相手がただ
女ったらしであることに気付いた。ゆらゆらしながらその時期を乗り越え
ました。人間はパソコンと違ってアナログで不器用でしょ？」
「あの、正巳はその人よりいい人だと思います」
「彼も魅力的な人でしたよ」
メモに正巳の悪いとこを書くハルカ。
１．アホ　２．弱虫　３．つむじがへん
「アホ～、弱虫、つむじ曲がり、へタレ～、デベソ～」
「そうだ」
「村崎さんは言わんで。アホ～、弱虫～・・・」

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