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2004年05月05日
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人質事件の功績 (参照:前日ページの日記「当時のイラク事情」)
 人質事件の流れとファルージャの動きを比べると、人質事件はファルージャの停戦にいい影響を与えたように見える。ゲリラに妥協したくない・統治評議会に主導権を与えたくないアメリカが、日本のために自重したという形。
 そしてイラクの自警団が統治するという合意は、ある意味ずいぶん進歩した対応だと思う。
 これは功績というか、成果というか、そういうところ。

 というか、じつはこれこそが犯人たちの計算かもしれない。
 自衛隊を「3日以内に撤退しろ」という条件で日本を急がせたから、その分ファルージャの停戦交渉に影響しやすかっただろう。
 「ノー・コイズミ」というセリフがほんとなら、なぜ「ノー・日本軍」でないか? つまり自衛隊派遣はどうでもよくて、首相とアメリカとの関係を標的としていたから。(これは考え過ぎか)

 もちろん、人質の証言がすべてほんとうなら、たまたま捕まってたまたま殺さずに何か利用しようということになったわけで、狙いは後付けでいいということになる。 にしても犯人たちの関心は、サマワの自衛隊なんかよりもファルージャではなかったろうか。

犯人像 
 もしそうなら、犯人たちはファルージャの停戦が気持ちに強くあり、アメリカにつながる軍を撤退させようというのはあまり期待してなかっただろう。(なら日本の世論を詳しく探る必要はなかった→人質はその仕事をさせられていない、か)
 「デモをした云々」は結果としての落とし所。
 そういう目で見ると、犯人たちの行動が攻撃的動機より防御的動機にも見えてくる。このグループは他に何もしてなさそうだから。

 では、郡司氏の言う「彼らはファルージャの自警団(のつもり)だ」という認識は正しいのだろうか?
 彼らは、フセインを支えた勢力のつながりで(それに操られて)アメリカを敵にしている、のではなかったのだろうか?

ゲリラについて、二つの見方がある。
1残党
 彼らはフセイン政権・バース党の生き残りで、それがテロで治安悪化をさせて一般人を取りこんでいる。妥協して好きにやらせたらシーア派と武力衝突を起こし、イラクを分裂させるだろう。

2レジスタンス
 彼らは一般から生じたレジスタンスである。動機は党派心よりも郷土テリトリー防衛の本能の方が強く、自分からシーア派との衝突には至らないだろう。
 武器が手放せないのはシーア派への警戒心であるとしても。
 現に彼らは密集したファルージャ地域でさえ、独立したさまざまな組織を名乗っている。それが残党から距離をおいて発生したことの表れのようでもある。

 1、2、どちらも根拠が十分ではない。どっちもいるんだろう。

イラク人とは?
 イラク人の愛国心とか党派心とか戦闘意欲はどんなものなのか?
 かつてイラン―イラク戦争のとき、イランに攻め込んだイラク軍は、士気が上がらず楽勝なはずのところを負けて押し戻された。国境を自分側に割り込んだところで急に士気が上がって、イランを押し戻し、戦争は国境付近で停滞し、イライラ戦争と言われた。
 当時のイラク兵の言うところによると、「イランに攻め込んだのは大義がない。だが自分の国を守るのは大義がある」と言う話だった。
 
 今度のイラク戦争でも、イラク兵の士気は低かった。
 結構醒めているんではないかと思う。
 20万のイラク軍が役に立たないのは、自分がイラク人に狙われるのが嫌だとか、ゲリラに対するには一般人を巻き添えにするからだとかあるんだろう、―――と思えてくる。

 ひょっとすると、アラブ・イスラムというイメージで見過ぎていたかもしれない。
 イラクはイランと並んで、中東では最も近代的な国だった。 湾岸戦争以来が異常だっただけで。
 今のゲリラの活動がイラクを分裂させる連中だけだと取るのは、取り過ぎだったのかもしれない。

分裂要素
 しかしあてにはならない。イラクが負けたときの略奪。シーア派との潜在的な衝突と権力バランス。ファルージャのもともとのゲリラは、武器を手放すのが嫌で住民を巻き込んで戦っているのだ。

 シーア派の過激派は穏健派を暗殺したり武力で追い出そうとしたりしているそうだ。
 たぶんシーア派は、抑圧されてきた分だけ教育程度は低い。石油の多くは彼らの土地にある。損を取り戻そうとして、武器を持って脅しをかけて利益を得ようとする者が、権力欲求者に利用されているのだろう。

 資源なんかも分裂する図式は十分だし。

 クルドとバース党の対立は、イラクの復興を妨げるだろう。(後述) 

一般人はアメリカをどう見ているか?
 アメリカに出ていって欲しがっているイラク人は、自分たち(の同族)が国をばらばらにしてきたことを放り出して他国に当たっている、八つ当たりのはずだが。
 ゲリラが一般人を巻き込んで復興が遅れている、ために仕事ができず治安が悪い。
 ----それがわかっていてアメリカが悪いという者が増えてきたらしい、なぜ

 アメリカがいなくなっても復興する自信があるのだろうか。なら、どうして今自分たちでやれないのか。
 ゲリラが自分たちの権力欲で活動しているとか思わないのだろうか。
 ---それを、民衆の近視眼的な愚かしさというイメージで見るのは当たっているか

 戦前のレベルまでは回復してきたからこそ、これ以上は自分たちでやりたいのか
 これ以上は、人間の問題だと。

翌日分の日記へ

翌日準備として、とりあえず悪循環メモ
 治安が回復しないと復旧が進まない。→復旧が進まないと、イラクというまとまりが生まれず、寄せ集めのままで、イラクの治安に最終責任を持つ存在が成立しない。→それを狙ってテロが起きる→米軍がイラクの一般人を巻き添えにして、治安の悪化を拡大する→始めに戻る。
 その中で、石油関係の復興と石油企業の護衛だけは手厚いようだ→一般人がアメリカを信用しない→米軍を占領軍としてテロが正当化しやすい→ゲリラの活動が楽になる。
 





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最終更新日  2004年05月06日 14時16分25秒
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