過剰な任命責任追及に、傷を深めた安倍内閣の支持率。稲田防衛相、辞任表明へ=PKO日報問題で引責-安倍首相、任命責任も。
稲田朋美防衛相は28日午前、南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題をめぐる特別防衛監察の結果公表に合わせ、辞任する意向を表明する。同問題で防衛省・自衛隊組織を混乱させた責任を取る。稲田氏を抜てきした安倍晋三首相の任命責任が問われるのは必至で、先の東京都議選惨敗に続き、政権にはさらなる痛手となる。第2次安倍政権発足後、閣僚の辞任は4月の今村雅弘復興相に続き6人目。首相は当初、来月3日に予定される内閣改造で稲田氏を交代させる考えだったが、政権運営への影響を最小限に抑えるには、これ以上辞任のタイミングを遅らせることはできないと判断したとみられる。
稲田氏をめぐっては、都議選での「防衛省、自衛隊としてもお願いする」との応援演説で、資質を問題視する声が強まった。日報問題では、稲田氏本人が2月に陸上自衛隊幹部から非公表とする方針について報告を受けていた疑いが浮上。野党から罷免、与党からも辞任を求める声が出ていた。
稲田氏は28日朝、防衛省に入る際、辞任についての記者団の問い掛けには無言だった。監察結果公表に先立ち、防衛相として最後の定例閣議に出席する。内閣改造までは首相か他の閣僚が兼務する。ただ、北朝鮮情勢などで緊急事態が発生すれば、稲田氏が職務を続行する可能性もある。(2017/07/28-07:52)