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2011.10.13
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今年もパリ在住の友人・渡部正廣さんが日本で個展を開かれています。

場所は、銀座 柴山画廊です。




下記のURL↓ ↓ にアクセスしてもらえば、個展の様子(パノラマ画像)を見ることができます。
http://www.jpartmuseum.com/jam_live/sibayama_g157/_flash/01.html




渡部 正廣 展 Masahiro WATANABE
2011年10月12日 (水) ~ 10月17日 (日)
11:00 ~ 19:00 (Last day - 17:00)

銀座 柴山画廊
東京都中央区銀座5-8-3 柴山銀座ビル2F
TEL:03-3571-2125 FAX:03-3571-3638
http://shibayama.cool.ne.jp/



お時間のある方は、是非、立ち寄っていただければうれしく思います。






京都大学の川添 信介氏の推薦文を紹介しておきます。


[抽象と具象、そして美]

 渡部正廣さんの絵はいちおう具象画ということになるのだろう。

わたしは絵についてはまったくの素人でしかないし、絵のジャンルと

いったこともどうでもいいことなのだろしかし、もう25年以上も渡部さんの

絵を見てきて、だんだんと抽象画に近づいてきているという印象を拭うことが

できないでいる。なぜなのだろう。

 もう10年ほど前、渡部さんの個展のために記した文章「パリの形相」で、

わたしは渡部さんの営みを、パリという街の建物を<見て>、そこに顕れた

人間精神を<考え>、それをタブローの中に<手>で定着させようとするものだ

と書いたことがある。

だが、よく考えてみると、<見る>ことと<考える>こととの間にはある種の

緊張関係があるだろう。

見えるものには<象・かたち>があり、画家は実によくこの象をみている。

そしてその象を最終的にはタブローとして<象(かたど)っている>。

だから、渡部さんのタブローは象を具(そな)えた具象画でありつづけている。

しかし、見ることと象(かたど)ることとの間には<考える>という媒介があり、

考えられている対象すなわち人間精神には、眼に見える象(かたち)がないはずなのだ。

人間精神は象から切り離されているものという意味で抽象的なものである。

 それこそ何でも抽象的に考えてしまう哲学などに関わっていると、ついこのように

考えてしまう。だが、画家にとっては<見る>ことと<考える>ことの間に

緊張関係などないのかもしれない。

あるいは、その二つを結びつける<手>の熟練が、あるはずの緊張関係を

ひょいと飛び越えてしまう域に達したのだろう。象(かたち)のない人間精神の

在り方についての思想をいちおうは象のあるタブローとして定着させる

渡部さんのなかで、象がそのまま思想となっている、というか、思想が

そのまま象として顕れているように見える。そのために、象を保ちながらも

抽象画のような印象をもってしまうのではないかと思う。

 いや、こんな面倒くさいことを考えることは哲学者風情のやることで、自分は

<美>を求めているだけなのだと画家はいうのかもしれない。

きっとそうなのだろう。だがもう一歩踏み込んでみる。

美は本質的に<一挙に全体が>現れるものだろうと思う。

空間芸術である絵画は言うまでもなく、時間芸術である音楽や演劇であっても、

美が美として立ち現われるのは、ある全体が一挙に一つのものとして感じられる

時であるように思われる。

だから美を求めるということは、どこかで<永遠>を求めることにつながっている。

現実の世界は必ず過ぎ去る時間とともに存在するのに対して、永遠とは全体が

一挙に存在することだからである。

そして、現実の世界とはいつでも象をもつものでもある。そうするとやはり、

タブローの中に現実の象があろうとなかろうと、そこに見出される美はどこかで

<永遠>という<象なきもの>だということになろう。


結局、渡部さんの絵が美しいのは、熟練した手と結びついて考えられている

事柄である人間精神が永遠なるものと連なっているからだろうと思う。

象がそこに見えているのに抽象的に感じられるのは、そのためだ

というのがわたしの結論である。

[川添 信介 - 京都大学文学研究科教授・西洋中世哲学史]










































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Last updated  2011.10.14 00:28:37
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何度もパノラマ画像を見ました。   ririko8448 さん
こんばんは。
今の時代だからこを、こんな見方でネットで画を見れるのですね。新しく買ったのが3D,のメガネ用のパソコンだったら、もっとリアルだったのかしら、と思いながら楽しませてもらいました。
具象画か、抽象画か、どう定義したらいいのか私にはわかりませんが。
見た瞬間の直感的なものからいくとやはりやや抽象的だと感じました。
そして、永遠なるものとか普遍的なものーーーを作家が精神美として求めているせいなのかも、と思いました。

素敵な色あいですね。ありがとうございます。

(2011.10.14 00:52:12)

Re:何度もパノラマ画像を見ました。(10/13)   diabolomenthe さん
ririko8448さん
>こんばんは。
>今の時代だからこを、こんな見方でネットで画を見れるのですね。新しく買ったのが3D,のメガネ用のパソコンだったら、もっとリアルだったのかしら、と思いながら楽しませてもらいました。
>具象画か、抽象画か、どう定義したらいいのか私にはわかりませんが。
>見た瞬間の直感的なものからいくとやはりやや抽象的だと感じました。
>そして、永遠なるものとか普遍的なものーーーを作家が精神美として求めているせいなのかも、と思いました。

>素敵な色あいですね。ありがとうございます。
-----
ririkoさん、こんばんは。

私もパノラマ画像がみられるとは思っていませんでした。

今回の銀座での個展には行けないのですが、行った気になりました。


私は絵画を観るのは好きですが、詳しくはありません。
私が大事にしているのは、絵を観て“心に響くか否か”です。
知識がないので体のいい言い訳ですが。

渡部さんは、哲学的な人ですから、具象を通して抽象を描いておられるように感じます。

>永遠なるものとか普遍的なものーーーを作家が精神美として求めているせいなのかも
それは多分にあると、私も思います。

デッサン画ですが、一枚だけ渡部さんの作品を持っています。
自分の部屋に飾っていますが、このデッサンを観ると
パリで生活していた頃を思い出します。

(2011.10.14 01:34:23)

Re:渡部正廣 個展 -“時”の開花へのレゾナンス -(10/13)   きらきらキララ♪ さん
おはようございます。
渡部正廣先生の個展素敵ですね。
美は永遠なんですね。人間の精神が美を表現する。
確かに、人間の表現する優れた芸術と呼ばれるものは永遠ですね~。教授は見に行かれないの?

(2011.10.14 06:41:19)

Re[1]:渡部正廣 個展 -“時”の開花へのレゾナンス -(10/13)   diabolomenthe さん
きらきらキララ♪さん
>おはようございます。
>渡部正廣先生の個展素敵ですね。
>確かに、人間の表現する優れた芸術と呼ばれるものは永遠ですね~。教授は見に行かれないの?
-----
こんにちは、きらきらキララさん。

昨年は京都で開催されたので行きました。
今年は東京だし、残念ですがちょっと行けそうにありません。

>美は永遠なんですね。人間の精神が美を表現する。
そうですね。
きらきらキララさんの言葉に共感しました。
(2011.10.14 11:07:27)

Re:渡部正廣 個展 -“時”の開花へのレゾナンス -(10/13)   ツジハン さん
教授、こんばんは。

渡部さんの画、写真のようですね。
私はこういうのはよくわからないんですが(汗)、ものすごく素敵です。

意味のわからないコメントでごめんなさい(><) (2011.10.15 00:36:59)

Re[1]:渡部正廣 個展 -“時”の開花へのレゾナンス -(10/13)   diabolomenthe さん
ツジハンさん
>教授、こんばんは。

>渡部さんの画、写真のようですね。
>私はこういうのはよくわからないんですが(汗)、ものすごく素敵です。

>意味のわからないコメントでごめんなさい(><)
-----
こんにちは、ツジハンさん。

お忙しいのに、コメントいただいてありがとうございます。

私も絵画には詳しくないんです(アセ。。
でも、心に何らかの感動が得られれば。。。

(2011.10.15 11:05:32)

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