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2023年02月19日
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カテゴリ:音楽
年初めにアマゾンで注文した表題のCD、到着予定の1月下旬を大幅に過ぎても音沙汰なしだったので、これは事故物件になったかも、と半ば諦めていたところ、先週になってRoyal Mailで英国から到着。これもウクライナでの戦争による物流混乱の影響か(英国ではストライキも頻発?)と思いながらも、無事手元に届いたことに欣喜雀躍。




この音盤の存在を知ったのは、例によって正月休みに聞き流していたネットラジオで、突然スポット的にオンエアされたソナタの1曲でした。どの曲だったかはもう思い出せませんが、とにかく印象的な演奏だったので急いで音盤の情報を見たところ、「Tipo」というテロップが流れていました。演奏が終わると共に情報画面も次の曲のそれに更新されてしまい、それっきりになってしまいましたが、後でグーグル先生に聞いてみたところ、それがピアニストの名前だと分かった、というわけです。

さて、件の音盤を早速この週末拝聴し、ネットラジオで受けた以上の鮮烈なスカルラッティ演奏で、大いに感銘を受けました。録音は1987年にパリで行われたとあり、もう36年も前のものですが、音響的にも大変素晴らしい出来栄えです。以下はその曲目リスト:

ソナタ ホ長調(アレグロ)K.495
ソナタ ホ長調(アレグロ)K.381
ソナタ ホ長調(プレスト)K.20
ソナタ ホ短調(アレグロ)K.394
ソナタ ト長調(アンダンテ スピリトーソ)K.454
ソナタ ト長調(アレグロ モルト)K.425
ソナタ ニ長調(アレグロ)K.491
ソナタ ニ短調(アリア)K.32
ソナタ イ長調(アレグロ)K.342
ソナタ イ短調(アダージョ)K.109
ソナタ イ長調(アレグロ)K.39
ソナタ ト長調(ヴォヴォ)K.125
ソナタ ト長調(アレグロ)K.470
ソナタ ト長調(アレグロ)K.124
ソナタ ト長調(アレグリッシモ)K.79
ソナタ ト長調(アレグロ)K.547
ソナタ 変ロ長調(アレグロ)K.551
ソナタ 変ロ短調(アレグロ)K.128

これを眺めると、ピアニストがよく取り上げる「有名なソナタ」がほとんど入っておらず、かなりマニアックな選曲と言えます。とはいえ、曲の並びを見ると、同じ調性で2-4曲を組み合わせており、カークパトリックの「対」モデルを踏まえているようです。特に印象に残るソナタ紹介すると、例えばK.342は超高速で演奏されて名人芸的な曲になっており、このソナタの従来のイメージを一新する感じです。また、K.20のソナタでは元の譜面にはない音を色々と足しており(類似の例としてはプレトニョフのそれ)、よりピアニスティックな効果を追求しているようにも見えます。

なお、残念ながらCDに付録のライナーノートはたった1ページで、スカルラッティのソナタの由来についての簡単な紹介記事(無署名)があるのみ、ティーポさんについての言及は一切ありません。今や同じ音源をNaxosやSpotifyのサブスクで聴くことができることを考えると、今回ばかりはわざわざCDを手に入れるメリットはなかったというところでしょうか。

ウィキペディア等の情報によると、マリア・ティーポ(Maria Tipo)は1931年、ナポリ生まれのピアニスト。まだご存命のようなので、今年(2023年)は御歳92になられます(ご本人のHPはこちら)。1949年、17歳でジェネーブ国際ピアノコンクールにて優勝、1950年代には演奏家としての活躍のピークを迎えます。北米では各地で300回を超える演奏会を催し、「Neapolitan Holowitz」(日本語ウィキでは「ナポリの女ホロヴィッツ」)という異名を取ったとか。彼女の最初の録音が何とスカルラッティのソナタ12曲だったとのことで(1953年、わずか4時間で収録)、1955年にLPがリリースされるやニューズウィーク誌からその年最も素晴らしいレコードと賞賛されたそうです。その12曲が以下のリスト:

ソナタ ホ長調 K.20
ソナタ 変ロ長調 K.551
ソナタ ト長調 K.427
ソナタ ハ長調 K.132
ソナタ ト長調 K.432
ソナタ ニ長調 K.96
ソナタ ト長調 K.14
ソナタ ロ短調 K.27
ソナタ ト長調 K.125
ソナタ ホ長調 K.380
ソナタ ヘ長調 K.107
ソナタ ハ長調 K.406

これらのうち、前述の音盤と重なるのはK.20, K.551, K.125の3曲のみで、対照的に有名なソナタが並んでいます。スカルラッティのソナタをピアノ演奏で一躍有名にしたホロヴィッツの録音が世に出たのは1964年ですので、まさに先駆的なLPだったと想像されます。(YouTubeにも音源あり)








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最終更新日  2023年02月19日 21時07分18秒
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