BASILICA DI SAN CRISOGONO
トラステヴェレにありながら、一度も入ったことのないサン・クリソゴノ教会のガイド・ツアーに参加してきました。聖人クリュソゴヌス(イタリア語でクリソゴノ)は、4世紀初頭、ドミティアヌス帝のキリスト教迫害によって殉教し、その後、ここに祀られたのです。つい先日11月24日が伝説上殉教日とされる聖クリュソゴノスの日でした。現在わたしたちが目にする教会は12世紀のもの。ではオリジナルは?と言うと…ローマのことですから地下にあるのです!今回のツアーの目当てはコレでした。このオリジナルの教会、5世紀に建てられたティトゥルス・クリュソゴニへは聖具室から降りることができます。階段で10メートルくらい下まで降ります。現在では地下に埋もれているこの教会も、もともとは共和制ローマ時代の住居の上に建てられたもので、実は三層になっているです。10世紀に描かれたフレスコ画、ハンセン病を治す聖ベネディクトゥスの姿や教皇シルウェステル1世が竜を捕らえる姿などはまだ一部が残っています。その他、洗礼の泉や多数の石棺、人骨(ナポレオンが墓地を整備する以前、教会は墓地機能をも備えていたため)などを見ることができます。これが20世紀初期に何となしに行われた発掘調査によって見付かったのだそうですから、ローマの地下ってやっぱりすごいですね。さて、地上にある現在の教会も見所アリです。正面奥のモザイクは、13世紀、ピエトロ・カッヴァリーニの手によるもので、同じく13世紀のコズマーティ様式の大理石による床装飾も見事です。その後17世紀に、ボルゲーゼ美術館で有名なシピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿がジョヴァンニ・バッティスタ・ソリーアに建物を改修させています。