VOSTRA ABITUDINE?
ウチの会社のメイド(ベッドメイク)の中で古株のほうであるルーマニア人のドメニカ。日本人のお客様を担当の階に迎えることも多く、その丁寧な部屋の利用の仕方にいつもいつも感心し、いちいちわたしに報告してきます。そのたびに同じ日本人として鼻が高いです。日本人のお客様、ありがとう!長期滞在のビジネスマンや常連さんたちのことはよく覚えていて、彼らの部屋を掃除するのは本当に気持ちがいいといつも言います。ゴミや食べ物が床の上にまで散らばった状態でチェックアウトをする人たちや、どんなに脱臭をしても滞在していた人の臭いが抜けないということなどを知っているメイドさんたちにとって、日本人だけが部屋を綺麗に使うというのは有名な話です。ボンジョルノーと笑顔で頭を下げて挨拶してくれたり、枕銭を几帳面に置いて行ってくれたりするその礼儀正しさは、明らかに日本人の国民性であって他の国の人々には(国民性としては)見られないことです。そんなドメニカが昨日わたしに質問してきました。「あなたの国では旅先で着古した服を置いてくるという習慣があるの?」「ないけど…」彼女はそういった日本の文化にそういった習わしがあると信じきっていました。それだけ高い割合で日本人だけが服をホテルで捨てていっているのでしょう。わたしは少し恥ずかしくなりました。物が容易に格安で手に入る日本では、旅先でも使い捨てをするわけです。わたしは日本人ですからその気持ちが分かります。着古した物は断捨離ブームの後押しもあって手放し、そして日本より少し安く変えるイタリアの素敵な高級ブランドの新しい服を買って帰りたいのです。でもイタリアのように月収平均が約13万円の国、ルーマニアのように老後の年金が月に約5000円しかもらえないような国では、信じられないことなのです。日本人はよくカップラーメンとかティーバッグのお茶とか文庫本をたくさんたくさんたくさん持って旅をしていますネ。もし捨てるようでしたらわたしに下さい。人の着古した服はいりませんが。