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カテゴリ:イギリス系ラム(Rum)
【フォースクエア2008】 ![]() フォースクエア2008エクセプショナルカスクセレクション・マークXIII バルバドスのラムです。 度数60%のカスクストレングス、バーボンカスクで12年熟成されたラムです。 フォースクエアなので、いつものようにポットスティルとコラムスティルのブレンドで、加糖無し、さらにノンカラーリング、ノンフィルタリングだそうです。 最初に言いますが、メチャウマです。 フォースクエア蒸留所から直接リリースされるエクセプショナルカスクセレクションは本数限定で、過去には2007、2005、2004があったようです。 僕は残念ながら、フォースクエア製品の良さに気づいたのが遅く、今回の2008以前のものは飲んだことがありません。 またそれらカスクストレングス&バーボンカスク熟成品シリーズとは別に、サーガシティのような40~50%以下の、バーボンカスクと各種ワイン系カスク熟成とのブレンド品も存在します(していました)。 ![]() 色は赤みがかった黄金色。 グラスに注いでしばらく待ってからの香りは、60%というスペックから想像していたよりも刺激が少なく、豊かでブライトな印象です。 ナッツやバターキャラメル、ココナッツ、バニラなどの要素が濃く溶け合った深い香りです。 飲んでみると、最初こそ振動のような強さを感じますが、すぐに濃厚な円やかさが感じられます。 どっしりしたフルボディ、アーモンドペーストのようなコクとじんわりした甘味、ハチミツ、オーク、ダークチョコレート、それに柑橘やスパイスの風味も感じられ、とても複雑・重厚な味わいです。 60%なのに刺激よりも猛烈なコク深さが勝り、香りも味わいも濃厚で、これぞ「フル・フレーバー」といった感じです。 ![]() 今回、このフォースクエア2008で「オフィシャルのカスクストレングス」の威力を思い知りました。 オフィシャルでカスクストレングスを出しているところは少ないので、これまでカスクストレングスのラムといえば、ボトラーズブランドのニカラグア産ラムを幾つか飲んだだけです。 それらはそれぞれの味・風味の差異が顕著で、中には思い切り僕の好みから外れてしまった風味のものもあり、かなりギャンブル的に感じていました。 ボトラーズブランドは、カリブ海周辺の生産地・蒸留所から樽単位でラムを買い、その後ヨーロッパへ運んで適宜熟成・ボトリング・販売します。 現地で長期熟成したものは高額でしょうから、企業として利益を出すには短熟モノを購入して自分のところで熟成・販売した方が得策なので、そうなるとカリブ海とヨーロッパでは気候・平均気温の違いから、例えば同じ10年熟成品でも製品としてはかなり差が出るだろうと思います。 いわゆるトロピカル・エイジング(熱帯地方での熟成)とコンチネンタル・エイジング(ヨーロッパでの熟成)の違いで、トロピカル・エイジングの方がより早く熟成が進むに決まってるので、基本的にはカリブ海周辺の生産地で10年熟成されたラムの方が上等でしょう。 そういった観点から、近年の誠実なボトラーズブランドでは、トロピカルエイジングとコンチネンタルエイジングの期間をきちんと表記しているところも出てきているようです。 また、ボトラーズブランドの製品は、オフィシャルによって「調整(砂糖や香料、グリセリンなどを添加しているラムは少なくありません)」されているラムを本来のピュアな状態で味わえる、という貴重で興味深い側面もありますが、熟成という観点では不利なのは否めません。 *コンチネンタルエイジングでオリジナルとは別のカスクを使って風味を変えることもあります。 しかし、今回のこのフォースクエア2008は、フォースクエア蒸留所からの直接リリースなので、熟成は全てバルバドスでのトロピカルエイジング。 しかも安い。 まさに弱点無しで、文句無くケタ違いの味わい深さです。 *ボトラーズブランドを否定しているわけではありません。良い製品は山ほどあります。 ![]() それにしても、どうしてフォースクエアのラムが日本で流通してないんでしょうね・・・ 【僕の評価】5段階中の5+++ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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