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2009年11月30日
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カテゴリ:旅日記
仮金堂を見た後は北円堂に行きました。 ここは待ち時間10分だったので楽勝。

この中に安置されている9体の仏像のうち7体までが国宝です。
しかも春と秋の特別開帳以外は公開されないのでその期間に当たったら幸運です。
今回は「お堂で見る阿修羅」が第一目的でしたがこの北円堂も楽しみにしていました。
北円堂の開帳期間というだけで遠方から奈良まで足を運ぶのはなかなか大変なので
これも阿修羅さんのおかげということでしょうか。
ブームになるのも悪いことばかりではないですね。

さて、その北円堂。
ここには運慶の代表作、無著・世親菩薩立像があります。
(ともに国宝でインドに実在した兄弟の僧とされる)
この両菩薩像には以前お会いしたことがあります。
仙台で興福寺国宝展が開かれた折に足を運びました。
「運慶の最高傑作といわれる無著・世親菩薩を一目拝んでみよう」という目的で。

運慶といえばそのリアリズム、量感溢れる彫刻のダイナミズムから
「日本のミケランジェロ」と評す人もいるほど。
先にイタリアでこれでもかというほどミケランジェロを観てきた者としては
果たして本当に運慶が「日本のミケランジェロ」なのか見極めたいという好奇心と
仙台での展覧会という近場での開催だったので足を運びました。

展覧会でいざ両菩薩像を拝見した時の感想は
最初は「ふうん、よくできた彫刻だなあ」ということでした。
天平彫刻のリアリズムに範をとった上に独自の量感溢れる彫像表現は
確かに迫力のあるもので「当時こんな筋骨隆々の日本人がそんなにいたと思えないのに
よくここまで表現できたものだ」と感心したのを覚えています。
しかし私に与えた印象はあくまでも「よくできた彫刻」ということ。
直接比べるのは無理があるということを承知で言うなら
ミケランジェロほどの衝撃は私は感じませんでした。
玉眼の嵌め込まれた眼を見ても最初は「よく工夫してある」と思っただけに過ぎなかったのです。
ところがある角度から無著菩薩の目を見た時「うわっ、やられた!」と震撼しました。
壮年の姿で表され動のイメージを与える世親菩薩(弟)とは違い
無著菩薩(兄)は老年の姿でその表情はあくまで静。
見ている者にとっては優しい印象を与える像のはずなのに
その角度から目を見てしまうと完全に視線が合って外そうとしても外すことができず
それが私に「お前の考えていることなどすべてお見通しなのだぞ」と心の奥底まで
何もかも見透かされてしまったような衝撃を受けたのです。
「側(がわ)」ばかり見て仏像としての本質を全く見ようとしない
私の態度の傲慢さに気づかされました。
(これじゃにわか「アシュラー」のことも笑う資格はないですね)
私はその目が怖くなって半ば逃げるように展示室を後にしました。

そんないきさつがあるので今回の北円堂でもまた同じように感じたらどうしようと思い
少し怖かったというのが正直なところ。
しかしいざ北円堂に入って両菩薩像を眺めているとそこに感じられるのは限りない慈愛でした。
特に私が仙台で怖くて逃げ出した無著菩薩立像は
心の奥底まで見透かされているという印象は同じでも
その上で見守ってくださっていると感じました。
生きていく上で感じる悲しみ、怒り、嘆き、喜び、幸せ。
私の心にあるそれらすべてのことに理解を示し
「諸行は無常であるぞ。それが人の世だ」と諭してくださっているような印象すら受けました。
やはり仏像はあるべきところにあってこそ生きるということでしょう。
玉の嵌め込まれた眼はどの角度から見ても生き生きとして慈愛に満ちていらっしゃいました。
こちらが傲慢な態度を曲がりなりにも捨てたのもあるでしょうが
何といっても像が北円堂にありそこで本来のお姿を拝むことができたことが大きいと思います。

ところで北円堂の像たち、建物を撮るとどうしても自然に写り込んでしまうんですよね。

北円堂 ピンボケですが無著さん丸見え。

南円堂 美しい南円堂。

こちらは年に1~2日しか開扉してなかったと思います。
私たちが行った日も当然開いていませんでした。

興福寺五重塔 立派な五重塔。

いつもはこのあたりに公園から出てきた鹿たちがたむろしているのですが
これだけの人混みではさすがに出てこなかったらしく1匹見かけただけでした。
午前中は天気が良かったので例年の興福寺ならせんべいを貪る
かわいくもちょっと凶暴な鹿たちに会えたはずなのに残念です。





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Last updated  2009年12月02日 04時54分55秒
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