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いつからだろう
何故だろう あたしは"白"が好きだ。 誰も触れることができない、誰にも届かない、無限の色。洗練された汚れなき色。 ある時たまたま原研哉著『白』の抜粋を読んだ。そこには白の魅力について具体的に書かれていて、あたしはますます白に惹かれた。 白は「色をのがれた色」だという。「光の色を全て混ぜあわせると白になり、絵の具やインクの色を全て引いていくと白になる」。つまり「白はあらゆる色の総合であると同時に無色である」のだ。 そして「物質性」や「時間性」や「空間性」や「抽象概念」などの多様な意味を含む。 また白は「あらゆる混沌から潔癖ににのがれきろうとする負のエントロピーの極み」であり、「純粋に混沌の対極に達しようとする志向そのもの」である。確かにグレーのような混沌から鮮やかに突出しているような印象だ。 さらに「生命の周辺にある」色でもある。骨も、卵も、乳も、白い。「生の痕跡」としての骨の白さ、生の始まりとしての卵の白さ、「生命の糧」としての乳の白さ…。それらはひと際輝いているように思える。 ただ、「生命」自体は「色として輝く」から、「現実の生命が宿り」卵から「出てきた時には、もはや白ではなく動物の色をしている」。そして作者は言う。「生命としてこの世に誕生した動物は既にカオスに向かって歩み始めているということだろうか」と。 ちなみに最後(抜粋の最後)は「混沌は『地』、白は『図』で、地から図を生み出す営みが創造で」あり、「混沌たるグレーから白が立ちあがってくるイマジネーションに、世界生成の原像が重なって見えるのである。」 と結ばれる。 改めて白は美しく素晴らしいと思った。 また白についてここまで深く鮮やかに語られているのも素晴らしい。著者 原研哉のデザイン、無印などの広告はシンプルに白が際立っている。白を丁重に扱い、その魅力を最大限に引き出せる人なんだろうと思った。 兎にも角にも、 白は美しい。 そう再認識させられた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010/02/06 06:55:51 PM
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