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カテゴリ:ケアマネ物語
私が事務所代わりに通っているホームは初めの1ケ月は工事中でした。
それもやっと終わってやれやれと、盛大に入居者の募集をかけるのですが、ほとんど見学者がきません。 40室ぐらいある広い建物のなかに、施設長と私だけ・・。交代に出かけますので、仕事の半分は一人で留守番でした。 前にも書きましたが、ワンルームマンションと同じ間取りです。ユニットバスに小さな電気コンロのついた台所。食事は自分で作るのが初めの考えです。お風呂も自分ではいる。 職員は掃除の手伝い、建物の管理をするという予定です。 入居希望者、見学の人がたまにきますが、食事は自分で作るの~・・。70年、80年自分でつくってきたのよ。もう作りたくないわ~。 お風呂、これ、狭くない・・? まあ私も営業の仕事もこなすようになります。 それでは、入居料もご希望に近く、食事付きのホームもございます。といって他の拠点のパンフレットをお渡しする。そのような日々が続きました。 入居者が増えれば食事は希望者にお出しする予定で、厨房も食堂も出来ていましたが、満室になったら充分なサービスができる厨房ではありません。 なお、共同の浴室はありますが、私は頼まれても入りたくないお風呂でした。コンクリート浴槽が作りつけです。もっと問題は床に排水のための勾配がつけていないことです。水はどこへ抜けるの・・という床・・。 浴室暖房も入っていない。当時は浴室に標準装備で手すりをつけると言う思想が充分でなかったのでしょう。手すりもない・・。 私は当時ズブの素人でした。そのような私もこれっておかしくない?という作り・・。 基本は自立した高齢者のための施設だったのです。それにしては入居一時金が高い。 ある見学者はここの駅前のワンルームマンションのほうが安いし、月々の費用はいらないし、そっちの方がずっといい・・と言われてしまいました。 おっしゃるとおりです。 世の中はその頃からバリアフリーとか、ユニバーサルデザインとかが一般的になり始めたところです。 商工会議所主催の福祉住環境コーディネーターの資格が始まったのもこのころからではないでしょうか。 その勉強をすると、ここがいかに間違いだらけだったのかがよく分かります。若い人のための下宿とか寮にすべきだったのでしょう。 人生いろいろ、仕事もいろいろ、会社もいろいろです。 広いお屋敷のようなホームに来る日も来る日も一人で居られるというのも楽しいような不思議な経験でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.12.25 18:09:12
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