私:昨年の12月3日にサルコジ・フランス大統領がかっての植民地であったアルジェリアを訪問したね。
このニュースをフランスでTV放送したのをNHKの衛星放送でしたいたのを見たが、ついでにアルジェリアの経済発展を報じていて、建設に中国人労働者が多数参加しているので驚いたね。
俺たちが若い頃は、「ここは地の果て、アルジェリア」と歌に歌われ、外人部隊で有名だったのにね。
それが、今、アルジェリアは石油産出国でもあり、経済はよい。
そこでアルジェリアの経済人は中国人の低賃金に目をつけたわけだね。
A氏:それは君がブログでここまで中国の労働者が来ているのかと驚いてとりあげていたね。
私:ところが、今度、驚いたのは、今月の文藝春秋(2月特別号)の塩野七生氏のエッセイの「ブランド品にはご注意を」だね。
イタリアのブランド品にまで中国人の労働が深く関わっているとはね。
氏は、イタリアに定住しているので、イタリアの国営放送を見ているのだが、そこで「レポート」というドキュメント番組についてふれている。
A氏:俺も読んだが、この番組は放送局でなく、外注制作の番組らしいが、切っ先が鋭く、政党色も関係なく、また、政治だけでなくマスコミまでその裏を徹底的に描いているというね。
そのため、圧力があったのか、一時、深夜番組に追放されたが、視聴率がいいのでゴールデンアワーに返り咲いたという。
私:塩野氏は、その「リポート」がつい先頃、放映したイタリアのモード界の実状をとりあげている。
A氏:イタリアの行政当局は、製品の30パーセントだけでもイタリア国内で手間をかけていれば「イタリア製」として認められるようにしているという。
だから、「プラダ」と「ドルチェ&ガッパーナ」などのブランド品は70パーセントを中国で生産したものを輸入し、後30パーセントをイタリア国内で作る。
私:ところが、その30パーセントですら、イタリアにいる中国人が作っているという。
これを「リポート」の番組でばらしているという。
それも低賃金で働く中国労働者は不法入国者が多く、この番組では偽造パスポートを次々に映し出していくという。
番組で「プラダ」と「ドルチェ&ガッパーナ」の代表者にインタビューを申し込んだが拒否されたという。
しかし、ここまで、中国人が入っているとはね。
何故、イタリアに中国人が多いのか分かるね。
A氏:結局、「プラダ」と「ドルチェ&ガッパーナ」などのイタリア製のブランド品は、正直なところ、「中国製」ではないの?
私:日本ばかりが「偽」ではないね。![スマイル スマイル](//plaza.jp.rakuten-static.com/img/user/emoji/a001.gif)
イタリア・ブランドとなると、高く売れるが、工賃は安いことになる。
材料費は大量発注されるので安いはずだしね。
この番組でもそうだが、中国製だからダメというわけでなく、価格が適正かということを問題にしているようだね。
日本人がローマでブランド品を買えば、8万円。
それが「メイド・イン・イタリー」で日本に輸入されると12万円。
しかし、実際はほとんどが中国人の手になる製品だね。
どのくらい、イタリアの誰がもうけているんかね。
このようにして、もうけたカネがファンドで世界を回り、石油価格を上げているのに加担しているのかね。
A氏:君がわれわれの飲むコーヒー一杯に対して、コーヒー栽培農家に払われるのは1円か2円だといっていたが、似たような現象かね。
これも誰がもうけていて、そのカネはどこに行っているのかね。
資本主義は貪欲だね。
私:塩野氏は、これは趣向の問題だから、それでも買いたい人はそれでもいいが、事実を知って買うのと、知らないで買うのとの違いがあるのではないかと最後にまとめているね。