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私:ピケティ氏は、相変わらず、金持ち増税を問題にしているね。 来年の仏大統領選に向けた右派の指名争いでは、間違いなくほとんどの候補者が富裕税の廃止を主張するはずだという。 これに対して、ピケティ氏は、それでは、政治的にも経済的にも重大な誤りを犯すことになると批判しているね。
A氏:金持ちの資産がぐんと増える一方、給与所得が停滞し、社会が危機にひんしている今、一番の富裕層を優遇している時ではないと指摘しているね。 フランスでは社会保障の財源を確保するため、給与所得にかかる負担が大きすぎ、支出では教育と研究にこそ投資すべきなのだという。
私:他国と同様、フランスでも資産税の中心は圧倒的に固定資産税で、富裕税の税収50億ユーロに対し、固定資産税のそれは250億ユーロにのぼり、不動産を買おうとする人々にとっては極めて重いうえ、その配分は不公平となっているという。 富裕税の対象は人口のせいぜい1%にすぎないが、該当する社会集団は資産を増やし続けている。 つまり1%の最富裕層が全資産の約25%、2兆5千億ユーロを所有する。 税収はそれでも50億ユーロを少し上回る程度で、課税率はせいぜい平均0.2%。
A氏:近年、固定資産の税収は増え続け、250億ユーロを超え、これは課税対象となる資産価値の0.5%にあたる。 固定資産税は、原則的には資産価値に比例して払う。 全員が、平均で資産価値の0.5%を納める。 つまり20万ユーロの資産に対しては年間1千ユーロ、100万ユーロの資産なら5千ユーロを払う。
私:金融資産や負債が考慮されないため、実際には逆進性がひどく強い。 たとえば20万ユーロの資産を持つ人が15万ユーロの負債を抱えているとすると、この人の純資産は5万ユーロにすぎないが、20万ユーロの相続資産+30万ユーロの金融資産の計50万ユーロの純資産に恵まれた人と同額の固定資産税を納めなければならない。
A氏:この不公平の歴史的背景は、固定資産税は2世紀以上前、米国などほとんどの国が用いる「財産税」という複雑なシステムと時を同じくして作られ、当時の所有物とは、主に土地や不動産のことであり、金融資産や負債は存在しなかったに等しかったということだ。
私:ピケティ氏は、いまや、この古びた制度を近代化しなくてはならず、まずは国レベルで税率と課税ベースを統一し、さらに負債の控除を導入し、金融資産も計上する必要があるという。 オランド仏大統領の任期が終わろうとしているが、その5年間では、予算相の資産隠しが取りざたされたカユザック事件や、パナマ文書が印象的だったという。 富裕税の申告における透明性を高め、フランスと外国の銀行が、金融資産の総額を税務当局に通達し、その額を申告するようにし、確定申告についても、同様の手続きをとるべきだとピケティ氏は言う。
フランスの富裕税の行方はどうなるか注目すべきだね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.06.26 20:40:46
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