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私:JR北海道は、地元の反発を承知で「鉄路半減」を進めるというが、JR発足後の路線見直しでは最大の規模で、地元と歩み寄る糸口はまだ見えていないという。 その中で島田修社長の覚悟のうちをインタビューしている。
A氏:JR北海道の全路線2552.0kmに対し、1237.2kmの路線を廃止したり、地元の維持負担にしたりの大改革だね。
私:島田社長は、国の支援がなくなる3年後の2020年度以降に、資金ショートし、破綻回避に一時的に借金はできるが、3年という期限のなかで解決しなければならないという。
A氏:背景にある要因は、北海道は人口減少が進み、高速道路網は30年間で6・5倍に延び、九州の2倍の面積に人口は半分、除雪費は年50億円ほどかかるが、国や自治体がつくって保守も担う道路と、鉄道は基本的に構造が違うので、全部自分たちでまかなわなければならないという。
私:人件費をもっと削減できないのかとの指摘があるが、給与水準は道内の自治体と比べても、かなり低く、入社10~15年で会社を辞める人はいま年に100人を超え、年280人ほどの新規採用もなかなか予定人数が集まらないという、ゆゆしき問題があり、実は資金繰り以前に人繰りで鉄道が止まり、運行そのものができなくなる問題にぶつかりかねないという。
A氏:利用者が大幅に減った地方鉄道を赤字補填で維持するしくみは、バケツに穴が開いたところにどんどん税金を投入することで、結果的に、福祉や年金、保育園などに使う予算を切って回すべきかどうかは、国民がきちんと議論をする問題だという。
私:島田社長は給食センターの統廃合の例をあげている。 人口減で自治体は生徒数が少なくなった学校や給食センターの統廃合を進めていて、10食や20食をつくる給食センターは必要なのか、経済合理性の観点から行政サービスですら統廃合しているのに、鉄道だけ、どうしてだめなのか、対症療法的に適当な解決策で問題を先送りすれば、結果的に鉄道に乗る人はいなくなるという。
A氏:路線見直し方針表明前の昨夏、夕張市側から、路線廃止の逆提案があった。 「『攻めの廃線』という、驚くような提案で、(予約に応じて乗り合いタクシーを運行する)デマンド交通など、新しい形を自らつくり出そうという当事者意識を強く感じたという。 立場や事情は違うが、破綻から再生へ、その先の自立へという流れにある夕張市の後を、当社が追いかけているのかもしれないと島田社長はいう。
私:国会での麻生太郎副総理兼財務相の「黒字のJR東日本と北海道を合併するとか、いろんなアイデアが出る」という発言に対し、安倍総理が「一政治家として大胆な考え方が提示された」とフォローされたが、JR東日本には、上場企業として株主への責任もあるという。 民間企業同志だから、合併は簡単な話ではないね。
A氏:いまは優先順位をつけざるを得ない状況だが、北海道新幹線の札幌開業のビッグチャンスもあり、新千歳空港からのアクセスをさらに便利にしていくなど、お客さまに喜んでもらえるサービスに、できればもう少し比重を上げてかかわっていきたいと島田社長はいう。
しかし、年400億~500億円もの営業赤字が続く状況の中の改革には、大胆なアイデアとかなりの経営手腕が問われるのがわかるね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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