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私:作家・真山仁氏については、福島第1原発事故の文藝春秋の特集で真山仁氏が、この事故についてふれていたのを読んで初めて知った。
実は、真山氏は原発事故を想定した小説を書きたかったので、最初、日本の原子炉を舞台にしようとしたが、日本の専門家に「日本の原子炉は絶対安全だ」と言われ、中国に小説の舞台を移した「ペイジン」という小説を書いたという経緯がある。 真山仁氏はこの小説で「全電源喪失」をすでに「想定」して書いている。
A氏:その小説は2008の刊行だから、福島第1原発事故の予言となったね。
私:その真山氏が、昨年、日本の財政危機を巡る小説「オペレーションZ」を出版。
日本の財政の債務残高が1千兆円を超えても放置されていることへの問題意識があったとのこと。 真山氏は「怖いものはみたくない。できたら通り過ぎてほしい。『見ざる』『聞かざる』『言わざる』の3ザルですよね。お上に、よきに計らってもらえばって思っている表れでしょう。でも、そうしていたらろくなことがなかったのが、この20年ですよね」という。
A氏:福島第1原発事故などに関して官僚やメディア、大学教授といったインテリに対して国民が嫌悪感をもってしまっていて「だまされた」という感情があり、「もっと一生懸命言ってくれたら、気にしたのに」と思っている。 本当は、スリーマイルもチェルノブイリの事故も隠されてはいないのにという。
私:今度の小説「オペレーションZ」を書く動機として、「政治家も、財務省をたたいていれば自分たちの責任が転嫁される、と考えているふしがあり、官僚主導が嫌ならば、政治家がもっと勉強して官僚を使いこなせばいいのに、それもできず、警鐘がきちんと鳴らされていないので、目の前にあるものが現実味のある恐怖であるということを伝えるのは、小説家の真山氏の仕事だと思ったという。
A氏:国債を持っている外資の機関投資家は、ヤバイと思った瞬間に即、逃げていく。
専門家に詰めていくと、2020年の東京五輪・パラリンピック後が危ういとか言い始めていて、日本は経済規模が大き過ぎて、破綻をしたらIMFにも他の国にも助けてもらえない。
あと何年で爆発するのかは正確には分からないが、時限爆弾は動いていて、財政問題の最大のポイントは、危ないことは分かっているのに、誰も逃げようとしないことだという。
私:現状を認識すれば、お金が足りないのだから国民にも我慢してもらいましょうとなり、我々は没落貴族で、もう荘園はなく、ワンルームに住んでいて預金も封鎖されるかもしれないような状況。
日本人の頭の中はいまだに右肩上がりのため、現実と意識が隔たっている。 我々は低成長でなく下降しているのに、成長過程のルールが守られているという。
増税を掲げると選挙に負けると政界で言われているが、歳出削減や増税に反対するのは、現世での利益を追求する人たち。
でも財政の問題は、未来の話。 今の1兆円の借金は今の1億人で割るのでなく、これから生まれる3千万人ぐらいの人で負担することになる。
A氏:真山氏は「新聞のインタビューで、18歳の若者が『僕は増税する議員に投票する』と言っていた。借金を減らすために、我々は歳出削減や増税を言う政治家を探さなければならない。そういう政治家は『勇気のある』『格好よい人』のはずなのです」という。
真山氏は、原発事故のときのように財政問題で「だまされた」とか「知らなかった」と言わせたくなく、人間は未来に何かを残すために生きているという。
最初に誰かが言わないと動かない。 小説家として、自分たちの世代の責任として真剣に伝え続けたいという。
私:早速、小説「オペレーションZ」を図書館に予約するか。
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Last updated
2018.01.03 17:17:33
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