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私:3月4日にイタリアの総選挙がある。
選挙後の政権の枠組みは見通せず、EUに懐疑的な政権が誕生する可能性もあり、経済統合の強化を目指す欧州の「火種」になりかねない。
野党「フォルツァ・イタリア」、 政党連合別で支持率トップのフォルツァなど中道右派連合、支持率で中道右派連合を追いかけるEUに懐疑的な新興政党「五つ星運動」などは、所得税の減税や社会保障の拡充など、財政政策の拡大をこぞって訴えている。
「ばらまき」総選挙となっているという。
イタリアはGDPが4年連続でプラス成長だが、成長率は1・5%程度にとどまり、昨年12月の失業率は10・8%とユーロ圏諸国の平均(8・7%)を上回り、25歳未満に限れば32・2%。
政府は解雇規制の緩和や税優遇策などで企業に雇用を促したが、求人は期間従業員など不安定な仕事が多い。
条件のよい職を求め、国外に出る若者は後を絶たない。
私:ボッコーニ大の教授が地元紙に発表した試算によると、総選挙の「ばらまき」公約を実現した場合の財政負担は、中道右派連合ではGDP比で10~17%ほど増え、五つ星では同約3・5%増えるという。
しかし、財政拡大路線の公約実現には、EUのルールが立ちはだかる。
通貨ユーロを使う国には「財政赤字をGDP比で3%以内に抑える」などの財政規律ルールが課されるからだ。
イタリアの政府債務の残高はGDP比132%で、ユーロ圏ではギリシャに次いで高く、EUの欧州委員会は再三警告を発している。
A氏:一方、イタリアの政党からはEUルールこそ見直すべきだとの声が上がる。
ユーロ自体への見方も厳しく、割高なユーロのせいで、イタリア産品の競争力がそがれているといった不満が根強い。
欧州委の昨年11月の世論調査ではイタリアでは、ユーロに賛成する人の割合は59%と、ユーロ圏では2番目に低かった。
中道右派連合内で支持を伸ばす野党の同盟(旧北部同盟)は、ユーロ離脱が持論。
野党フォルツァも、ユーロは維持しながら、国内取引に新リラを発行する「並行通貨制度」の導入案を主張している。
私:欧州ではユーロ圏の経済統合の議論が進むが、総選挙の結果次第では、イタリアからEUやユーロ圏諸国との関係見直しを求める動きが出る可能性もある。
将来、英国のEU離脱の後を追うのか。
3月4日の総選挙の結果がどうなるか。
ところで、ポーランドも保守系与党・法と正義(PiS)は、自由経済の旗を振るEUの現状に懐疑的で「自国第一」を掲げる姿勢と共感する。
ポーランドの造船所の「鉄の男」たちは、まるで米大統領選でトランプ氏を支持したラストベルト(さびついた工業地帯)の労働者のようだという。
政権を握るPiSは、民主主義に不可欠な報道の自由や司法の独立への介入を強めていて、経済成長の果実にありつけない人々の不満を吸収するため、内向きのナショナリズムをあおるような動きも顕在化しているという。
EUで合意した中東などからの難民の受け入れにも消極姿勢を崩さず、欧州委員会からEU司法裁判所に提訴されている。
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Last updated
2018.02.28 16:28:33
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