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私:宮城県石巻市の水産会社「水月堂物産」には、同県大衡村の「トヨタ東日本」の「ものづくり研鑽部」の斎藤敦氏が、毎月1回、生産性を高める「カイゼン」指導に訪れる。
全員で同じ作業にたずさわる「ロット生産方式」を、ひとりがホヤを袋に入れ、別の作業者がそれを受け取って箱に詰めてゆく「一個流し生産方式」に一本化した。
A氏:「一個流し生産方式」は「トヨタ生産方式」のうちの改善手法の1つだね。
斎藤氏は「『ロット生産』は、多くの従業員がかかわって、つくりすぎを招く。『一個流し生産』なら必要な分だけ生産できる」と説明し、「在庫は悪」と言い切り、「一定の在庫は必要で命綱だが、作りすぎは命取りになる。材料の調達で資金繰りも苦しくなる」と解説。
会社は「一個流し方式」に切り替えることで、生産効率が2~3割改善するとみている。
私:水月堂常務の阿部壮達氏は約1年前、従業員の意識を高めて生産性もあげ、売り上げを増やしたいと考えたから「カイゼン」を決意したもの。
被災地の水産加工業の支援に取り組む「みやぎ産業振興機構」(仙台市)を通じて「トヨタ東日本」に支援を求め、昨年秋から今年3月まで計9回の指導を受ける。
トヨタの指導は「5S」から始まる。 「整理、整頓、清掃、清潔、しつけ」の徹底だね。 「トヨタ生産方式」の教科書通りだね。
水月堂の冷凍庫に長く保管されたままの魚介類は容赦なく捨てる。
半信半疑だった従業員からも「格段に作業がしやすくなった」という声があがり、自発的に取り組む動きも出てきて、阿部常務は手応えを感じているという。
A氏:三陸地方の主力産業である水産加工業は震災の東日本大震災の津波で一時はほぼ壊滅。 事業を再開したものの、失った販路が戻らずに苦労する企業は多い。 インフラの復旧・復興事業はむしろ、水産加工業の人手不足に拍車をかけ、経営難にあえぐ企業にとって生産性の向上は喫緊の課題。
「カイゼン」で知られる「トヨタ生産方式」への期待は大きいという。
私:岩手県宮古市の重茂漁協は、「トヨタ」と一緒に、特産の塩蔵ワカメの袋詰め作業の効率化に取り組み、従来、経験や勘に頼ってきたが、ストップウォッチやメジャーを持ち込んで各工程を調べて手順書を作成し、一人ひとりの習熟度を調べ、グラフにし、袋詰めに便利な専用の器具もつくった。
生産性は5割も高まったという。
A氏:「トヨタ東日本」は、モノづくりを通じた復興支援を掲げ、2013年から東北6県を対象に「カイゼン」指導を続けている。
製造業のほか、農業や水産業にも足を運び、計92社・団体に出向いた。
「トヨタ」が受け取るのは交通費などの実費だけで、震災から7年が近づくいまも、地元企業からの引き合いは絶えず、年々増えているという。
私:こうした取り組みを、「トヨタ」では「相互研鑽」と呼ぶ。
現場で互いに学びあうことで、「カイゼン」意識の定着が期待できるからで、地域の経済の地力が高まり、長い目で見れば自社も恩恵にあずかれるとみているという。
国は「生産性向上革命」などとスローガンだけでなく、具体的に「トヨタ生産方式」の考えを「ものづくり」の「物」だけなく、オフイスワークの「情報づくり」や、サービス業の「サービスづくり」に拡大して、それらの仕事の「カイゼン」プロを育て、これにより、長時間労働をなくし、低いと言われる日本の生産性向上に寄与するように推進してもらいたいものだね。
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Last updated
2018.03.11 10:34:13
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