所蔵NO.25☆文芸春秋 九月特別号 第五十四巻 第九号
☆龍の蔵 ~2007新春 第2部スタート~あらためまして本ブログ第2部の堂々のスタートとなりました。(ヒューヒュー♪読者諸兄の毎度のご愛読ありがとうございます。気持ちも新たに「龍氏の足跡の事実だけを切り取る」を再認識、再確認して真実一路、ブログ製作に邁進致します。(パチパチ~♪第2部スタート記念は「限りなく透明に近いブルー」を掲載した文芸春秋です。 「文芸春秋 九月特別号」 昭和51年9月号 ~第75回昭和51年度上半期芥川賞決定発表~☆第75回芥川賞選考委員会日時:昭和51年7月5日午後6時~ 場所:築地「新喜楽」選考委員7名:井上靖、瀧井孝作、中村光夫、永井龍男、丹羽文雄、安岡章太郎、吉行淳之介この巻に選考委員の選評が掲載されていますが、「優れた資質、異才」などの言葉が目立ち、面白い表現だったのが中村光夫氏の「本人にも手に負えない才能~」という一節でした。ほとんどの選評が、まるで和食しか食べた事がない人が、はじめて洋食を食べた様なコメントでした。(やっぱり美味しい中華かな??ハーレムのソウルフードかも??)今回の芥川賞候補作品は昭和50年12月1日~昭和51年5月末日までに発行された諸雑誌、同人誌、単行本、単行本700余冊、3千数百篇の中から予選委員会を通過した7作品でした。【受賞の言葉】村上龍氏『受賞が決定して2週間程経ちました。先刻、友人から電話があり、「どんな気分だ」と訊かれて、「未だに、何が何だかわけがわからん」と言うと、「そのセリフは聞き飽きたぜ」とバカにされてしまいました。 記者会見でも、そう答えたし、その後のインタビューでも、対談でも取材でも、みんなそういう風に答えています。「実感がない」「自分でもわからない」「作品が頑張った」等々。「そのセリフは聞き飽きたぜ」-自分でも言いたいくらいです。 受賞の言葉くらい、何か他の事を言おうと思って、ずっと考えていました。いくら考えてもダメで、そのうち、”自分は芥川賞をとったのだ”という実感を一生持ち得ないバカな人間が一人くらいいてもいいのではないかと、持ち前の怠惰な性格で思うようになったわけです。こういう形で出発する人間には必ず落とし穴があるような気もしますし、当分は今まで通り、自分の怠惰さを愛する方がいい、そんな気がしてなりません。』~本誌より転載~さすがお上手なコメントですね。賞自体には価値がない事を知らばっくれつつ選考委員会を立て、芥川賞や文壇に敬意を払いつつも、少しも媚びず、けん制しながら言いたい事を言っています。(笑)「限りなく透明に近いブルー」美しいタイトルだと思います。色あせませんね。書き上げ当初は作品のタイトルが『クリトリスにバターを』だったそうですが、もしそのままだったら、選考委員さんは困惑したでしょうね~。(発表しにくいですよね。笑)なおこの年は、芥川龍之介死後50年の辰年でした。