三井住友フィナンシャルグループは、今日(28日)米シティグループ傘下の日興コーディアル証券と日興シティ証券の一部買収についてシティと大筋基本合意に達した。複数の関係筋が明らかにした価格は5000億円台となる見通しだ。
三井住友が日興を買収すると、店舗数はSMBCフレンド証券の75店舗に日興の109店舗が加わり、計184店舗に拡大する。買収後に店舗を統廃合しても、野村証券の172店舗と肩を並べ、大和証券の118店舗を上回る計算になる。売上高に相当する営業収益規模では、SMBCフレンド証券の605億円と日興コーディアルの3531億円の合算で4136億円。大和証券(8254億円)の半分にすぎないが、販売力の増強につながるのは間違いない。
また既に三井住友と大和はホールセール部門で合弁会社、大和証券SMBCを展開しており、大和SMBCで組成・開発した金融商品を大和証券に卸し、リテール販売を行って来た。日興買収が実現すれば日興コーディアルをメーンの販売先に置き換えることになる。三井住友は日興をテコに大和そのものを飲み込む戦略も選択肢と検討しているとみられ、三井住友と大和との間の綱引きが激しくなりそうだ。